彦根城跡内の文化財
彦根城跡内の指定文化財
国指定【記念物】
特別史跡 彦根城跡
彦根城は慶長9年(1604)に築城が開始され、およそ20年かけて完成した近世城郭である。かつての彦根城は、三重の堀・人工河川(現・芹川)や城下町を含む大城郭であった。その中で、中堀より内側の範囲は、石垣で構成された城郭平面構造が極めて良好な形で残っていることから、昭和26年に国の「史跡」、同31年には「特別史跡」に指定されており、国民共有の財産として大切に守られている。
一方で外堀に関しては、近代以降の市街地改造によって急速にその原風景は失われつつある。そのような中で、彦根城外堀跡全体を調査の上、平成27年11月13日付けで埋蔵文化財包蔵地(周知の遺跡)とし、そのうち彦根城の南東隅に相当する外堀土塁などは極めて良好な形で地上面にその姿を残していることから、平成28年3月1日付けで特別史跡彦根城跡に飛び地で追加指定されている。
添付ファイル

国指定【建造物】
国宝 彦根城天守 附櫓及び多聞櫓
関ケ原合戦の前哨戦で耐え抜いた大津城から移築されたといわれ、慶長12年(1607年)頃に完成。政治的象徴としての外観の美しさだけでなく、城本来の機能である軍事面でも優れている。昭和27年(1952年)に国宝に指定。
彦根城以外の国宝天守は、姫路・松本・犬山・松江だけ。

国指定【建造物】
重要文化財 彦根城天秤櫓
大手門と表門からの両坂道を登りつめたところにある。廊下橋(戦時には落とすと伝わる)に接続する櫓門部分を中央に、両坂道に面している多聞櫓の角を二重櫓とすることで、左右対称となっており、天秤櫓の名の由来となっている。長浜城大手門を移築したものと伝えている。建物土台の石垣は向かって右側が築城当時の打込みハギ積み、左側が江戸時代後期の改修による落とし積みとなっている。

国指定【建造物】
重要文化財 彦根城西の丸三重櫓及び続櫓
西の丸の西に建つ櫓で、さらに西に張り出した出曲輪との間に深い堀切を設ける。西方の搦め手(裏手)からの敵に備えた守りの要であった。三重櫓は、この搦め手を見下ろす位置に設けられた。

国指定【建造物】
重要文化財 彦根城二の丸佐和口多聞櫓
佐和口に向かって左に伸びる多聞櫓。明和4年(1767)に火災で類焼し、現在の建物は明和6年から8年にかけて再建されたもの。明治になって、櫓門は失われたが、本来はその右に伸びる多聞櫓(現開国記念館)と一体のもの。

国指定【建造物】
重要文化財 彦根城太鼓門及び続櫓
天守がある本丸表口をかためる櫓門で、城内合図の太鼓を置いたところから名付けられたと言われている。建物の背面が解放され、高欄付きの廊下となっており、櫓では大変稀な構造となっている。なお、解体修理に伴う部材調査によりどこかの城門を移築したものであることが判明した。

国指定【建造物】
重要文化財 馬屋
こけら葺きの屋根が美しい馬屋である。藩主などの馬21頭がつながれていた。城内に残る馬屋は全国でも彦根城にしかない珍しい建物である。平成27年度に二度目の本格的な文化財保存修理を終え、往時の姿を取り戻した。

国指定【記念物】
名勝 玄宮楽々園(玄宮園)
玄宮園は下屋敷である槻御殿(現楽々園)に伴う後園として江戸時代前期に作庭された大規模な池泉回遊式庭園。中央に掘られた池泉には大小4つの中島が築かれ、さまざまな形式の橋が架けられて自由な回遊性を確保するとともに庭園内の景観にもなっていた。回遊する園路は、当時園内に存在した4つの茶屋へ誘うように巡っており、玄宮園が茶会を中心とした大名の社交の場となっていたことを裏付けている。玄宮園では池泉護岸の保存整備を実施しており、失われていた水田等の復元整備も実施している。

国指定【記念物】
名勝 玄宮楽々園(楽々園)
現在、楽々園と呼んでいる範囲は延宝5年(1677)に4代直興によって造営されたと伝わる下屋敷の範囲であり、江戸時代には「槻御殿」などの名前で呼ばれていた。この槻御殿は下屋敷であると同時に「隠居所」としても使用され、13代直弼は隠居していた11代直中の子としてこの槻御殿で産声をあげている。御書院棟前面の庭園は、鈴鹿の山並が園外の眺望となっている座観式の庭園。槻御殿については平成17年度より歴史的建造物の保存修理事業を実施している。
市指定【建造物】
旧池田屋敷長屋門
旧彦根藩の中級武家屋敷の典型をなす長屋門として、昭和48年(1973年)に彦根市の指定文化財に指定。平成21年度から3年を費やして、全解体修理を実施。

市指定【建造物】
旧西郷屋敷長屋門
家老屋敷の長屋門。門の両脇に出窓を設けるなど、高い格式を示す豪壮な造りとなっている。

市指定【記念物】
天然記念物 オオトックリイチゴ
添付ファイル
バラ科キイチゴ属の一種で、彦根城以外には知られていない彦根城に固有の植物。現在、彦根城博物館奥で確認(非公開)されるほか、天秤櫓前に株分けされたものが公開されている。

市指定【記念物】
天然記念物 オニバス
スイレン科オニバス属の一種で、池や沼に生息する一年生の水生植物。全体に鋭い棘が密生しているのが特徴。滋賀県内では、過去に長浜市や草津市などで自生していた記録があるが、現在では彦根城にしか生息が確認されていない。
添付ファイル
彦根城の古写真
下記のリンクをクリックすると、古写真がご覧になれます

1.船町口
2.山崎門
3.西の丸三重櫓
4.彦根城からの北面眺望
5.天守
6.黒門
7.太鼓門櫓
8.玄宮楽々園
9.玄宮園から天守を望む
10.大手門
11.天秤櫓
12.西郷屋敷長屋門
13.京橋口
14.表門
15.馬屋
16.いろは松
17.佐和口
18.埋木舎
更新日:2019年08月30日