入選
高宮町
塩谷鈴女
(評)
早春ともなれば、夜昼もなく物狂しく鳴きたてて妻を恋ふ猫が往来する。闇夜であろうか、恋猫が振り返った時の目の鋭さに無気味さを感じた。人を恐れず幾日も留守にしてやつれて帰る猫に哀れさを感じる。(紫水)