総評
詩と散文との境目については、悩みつづけてきた。散文詩という領域も成立している。自作についても、詩と成り得たのか判断出来ぬのだ。今回の選に際してもそうした悩みはあった。一つ言えるのは、詩の素材として、向き不向きがあることだ。
私なりに選考の目安としたのは、次の条件である。行間より夢幻的なものが立ち上がる。ものの見方が個性的。表現が意表をついた。社会性や時代性を備えている。文章にリズム(内在律)を感じる。無論、他の選者方には、独自の感覚と見識がお有りなので、意見を交すことで結果を出すものだ。
秀れた詩、新しい個性、との出会いを期待するのは選者側に共通する。県下の状況からして、当市でも、それは叶えられるだろう。
(藤野一雄)