NEW YEAR
電線のうなりのなかに明日は吊されている
予告篇でもみたように
ひとびとは声を揃えていうであろう
−HAPPY NEW YEAR!−
はたして地球は戻ってきたのだろうか
狭くなった地図をつなぐ
国籍をもったジュラルミンの虹
人類はすでに音をまたいでいる
加速度が地球をはるかな高速でふりきった日
それは二〇〇〇年
そして二〇〇一年は
いま古ぼけた鐘の音で明けようとしている
それはぼくらの頭蓋のなかで
これからもくりかえされるだろう
ぼくが飾松をうっつけ
女房があいかわらず七輪の尻をあおいだりする
いつかそれも望遠鏡のなかに
ぼくが捉えたとしたら………
やがていつか人類は光を超えるだろう
どの顔がはじめて地球をぬけ出していくのだろう
蜜蜂のような羽音が世界を充たしているのがきこえてくるようだ
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