少女
セーターの胸でリンゴをふいた キュッキュッと音をたてて 真紅なリンゴと真白な歯とぶつかった カブリとリンゴが小さくなり あまずっぽい香とがすっと漂った
ブドウのふさをつまんでいた ぽたりと落ちる涙と一緒に 一粒一粒とブドウが小さくなっていった やがて枝だけが残り 悲しみがあたりに拡がった
塩水の中にイチゴが浮いていた かわいい指がすっとのびて イチゴの様な口唇にぽいっとほうりこんだ 青い茎がぽとりと落ちて 明るい笑いでいっぱいになった