朝
朝焼けに 駅舎が 赤紫のさみだれ雲の 挾間に浮きあがり ゆっくり移動する
駐車場の中央に 樫の木が楚々と佇む
はき出され 吸いこまれ ほのかな香水と 一筋の煙を残し 始発電車が動く
学生もサラリーマンも 一日がソフトにつめこまれ 十人十色 サッサッサッと 軽快な自転車の音
「おっちゃん、おはよう!」 女子学生の声に 駐輪場がめざめる