ことづけて、三月
あしもとで クロッカスが さいたのは ほんのちょっと まえのこと
くちばしに うすももいろのたよりを くわえ もずが わかれにやってきて
なにもかもが いちまいずつ さりげなく ぬいでゆく きせつだけれど
わたしは あなたに いつもより いちまいおおく てがみを かこう
ふいにかるく かたをたたいて とおりすぎていったのは 三月の かぜ