deja vu
そう
あれはどこだったろう
小高い丘に白いねこ
いっぱいに広がる草むら
そう
それはいつだったろう
昼間のような
いや午前十時過ぎ
春のような
初夏のような
いや梅雨期の晴れ間
そういや
誰かといっしょだったかもしれない
いや一人だったのか
それとも
シャムネコの眼を借りてその場を取り繕ったか
どこかで
イタリアンガラスが甲高く割られ
落札した絵がべらりと剥がされ
その白いねこは静かにしずかに
毛づくろいをしていて
ゆっくりとねこを膝に抱き
土粘土をこね
眼のないネコの首を描きながら
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