“あ”の字の魔法
苦手な うわさ話を聞いた後
理由なく イライラした時
ため息ついて 気がつくと
かきかた鉛筆を紙面に走らせている
心が綴れなく
思い浮かぶ単語を書き連ねる
ふさぎ込んだ気持ち そのまんま
とんがった いびつな文字の行進
そのうち 鉛筆の程良い
なめらかな書き心地が たまらなく
いつしか
ありがとう ありがとうって 書いている
“あ”の字が並び出すと
あのつく言葉が 次 次と
表情つけて 踊り出す
あう あした あかるい あやとり・・・・・・
あが まんまるい
あったかな あかりになる
不機嫌だった心が
“あ”の字に 隠れ
おだやかな気持ちが もどってくる
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