つぎ当て
雪の日に
靴下のつぎ当てをする
八十八才の父さんもすると言う
親指の有る靴下は父さん
指無しは私
針箱をホーム炬燵の上に置く
針に糸を通す私
器用な父さんは
布を当てかがり縫いをする
お互に話す事なく
一針一針ゆっくり縫っている
私は踵のうす破れをつぎ当てる
物が豊かに有る今恥ずかしいが
家で使う物です
外出時は使わない
亡き母も冬の夜
つぎ当てをしてた姿が目に浮ぶ
空豆大の穴を
自分の手でつぎ当て出来た
喜びを満面笑顔で表す父さん
私は踵の布に針の目を=−=形に縫う
雑布を丈夫に縫うように
こんな面倒なことも楽しめる
似た物同志
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