スクールガード
こんなに晴れ渡った五月
街の入り口に
私は悲しく立っている
身体よりも大きいランドセル
の少女は
黄色い帽子をかむり
「おかえり」
という言葉に
にっと笑って
摘んできた
花をくれた
この春から
通学路のところどころに
“子供見守隊”として
私達は立つようになった
子どもたちは
走ったり座ったりしながら
ゆっくり帰ってくる
遠くに姿が見えたが
またそばの公園に入っていった一団がいる
しばらくは帰ってはくるまい
汗をかきながら
六年生がまっすぐ
坂道を上がってくる頃には
漸くこの街の小学生は
家に帰ったことになる
私の小さな安堵とともに
街はゆっくりと
夕餉の支度にはいる |