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木村 光子 小西 久二郎 島野 達也 :選 | |
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<総評>
応募者の総数は六十九名。それぞれの作品は、ひとりひとりの心を濾過して生まれた一首と思えば、選歌には、自ずからある種の緊張感の持続が求められます。 (木村 光子) |
最近特に多い素材は東北大震災の地震、津波、原発の被害状況や被害に対する悲哀などを詠んだものである。ところが、それらはテレビや新聞の域を脱け出ていない作品の多いことである。つまり、どれも似たり寄ったりのもので、説明や記録に流れている。いわゆる作者の存在感がないのである。被災の現場を見聞したなかから、作者の発見があるとか、 (小西 久二郎) |
残念ながら、応募者も応募歌数も、前年を下回った。同時によい作品も減ったような気がする。題材はよく出てくる孫の歌が三十八首、家族・老いの歌がそれぞれ二十五首、病気の歌五首、花など植物の歌十九首、動物九首であったが、応募期間が東日本大震災に当たったこともあって、震災関係が二十六首にのぼったが、テレビ、マスコミを通しての立場からの歌でなかなか人を感動させることは難しい。そのような中で、自分史、遺伝子、MRI、地球、オメガのマークを詠ったものがあったし、「トイレの神様」「おくりびと」は時代の反映であろう。昨年亡くなった「裕子さん」の歌があったのは嬉しかった。 (島野 達也) |
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