市民文芸作品入選集
短歌
木村 光子 小西 久二郎 島野 達也 :選


特選
近江八幡市   出口 庄次
正法寺町   髙井 豊
大津市   石川 麻子
 
入選
鳥居本町   岩根 敏子
堀町   河分 武士
本庄町   田口 敏子
米原市   中川原 尚代
大薮町   織田 敦子
西今町   小笹 雅子
 
佳作
小泉町   牧之段 シヅ
稲枝町   山本 正雄
稲里町   田辺 ふみ
西今町   久永 朝子
米原市    知惠子
米原市   川 眞澄
犬上郡豊郷町   西山 美枝子
東近江市   荻須 喜美子
彦富町   池田 光雄
本庄町   田口 洋子
宇尾町   小玉 徳承
松原町   北川 満代
米原市   三輪 幸江
長浜市   奥長 輝久乃
西今町   江畑 孝子
後三条町   吉原 初美
長浜市   鳥塚 とし代
大薮町   外村 輝夫
芹橋二丁目   古池 陽彦
犬上郡甲良町   村岸 千鶴子
犬上郡甲良町   村西 くに子
東近江市   坂口 靖子
古沢町   大橋 靜
高宮町   細田 惠貢子
開出今町   川添 照子
長浜市   柴田 弥藏
馬場二丁目   清水 はる
日夏町   石原 不二子
出路町   滝 ふみゑ
近江八幡市   大橋 信夫
東近江市   田附 孝子
東近江市   奥野 希子
極楽寺町   古川 寛二
 
<総評>

 短歌は「何を」詠まねばならないという枠はありません。また、どのような言葉、視点で詠むべきという括りもありません。強いて言えば、三十一文字の定型に嵌める、そのリズムだけです。
 応募された235首それぞれには、皆さんの心がたっぷり込められてはいますが、「詩の質」の点から問えば、課題がいくつかあります。その第一は、「現代社会に生きる人の魂」とでもいうのでしょうか、煎じ詰めれば、ここに尽きます。
 「よく見、よく聞き、感じる心」のため多作、多読にも努めて下さい。

(木村 光子)
 

 本年は応募者が11人、応募数が29首増えたのはうれしい。作品 の質的向上もみられる。然し、短歌に要求される文学性芸術性からみると決して高いとは言えない。生活のなかの「なにを」うたうのか、その動機なりねらいが大切である。ともすれば日常生活の瑣末詠、説明的になりやすい。いわゆる短歌は省略が必要である。ということは余情余韻がなくてはならない。自己の現在をよく見つめ、心身から発する作品を追究することをつねに念頭において作歌にのぞむべきである。その辺の考え方がまだ不充分と言えるだろう。限界はないのである。

(小西 久二郎)
 

 短歌部門の応募者・作品数とも大幅に増加したことは喜ばしいことである。題材は多岐にわたっており、震災詠んだ歌もある。一般的に三十一文字ながら、饒舌であり、如何に無駄な言葉を省き、自分だけの言葉で思いを的確に表現するかという基本に立ち返ることを心掛けたい。応募者の年齢層にも依るのだろうが、新鮮な感覚の歌が乏しかったが、将来に期待したい。

(島野 達也)


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