○彦根市外部公益通報に関する要綱
(平成31年4月1日告示第71号)
改正
令和4年5月31日告示第169号
(目的)
第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16 年法律第122 号。以下「法」という。)の趣旨に鑑み、外部公益通報を適切に処理するために必要な事項を定めることにより、通報を行った者の保護を図るとともに、事業者の法令遵守を推進し、もって市民の生活の安定および社会経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において使用する用語は、法において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の意義については、当該各号に定めるところによる。
(1) 外部の労働者等 通報対象事実または通報対象事実以外の法令違反の事実(以下「通報対象事実等」という。)に関係する事業者に係る次の者をいう。
ア 当該事業者に雇用されている労働者または雇用されていた労働者
イ 当該事業者を派遣先とする派遣労働者または派遣労働者であった者
ウ 当該事業者の取引先の労働者もしくは労働者であった者または当該事業者の取引先を派遣先とする派遣労働者または派遣労働者であった者
エ 当該事業者の役員
オ 当該事業者の法令遵守を確保する上で必要と認められる者
(2) 外部公益通報 外部の労働者等が、不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的でなく、通報対象事実等が生じ、またはまさに生じようとしている旨を、当該通報対象事実等について処分または勧告等をする権限を有する市の機関に対し通報することをいう。ただし、彦根市職員等の内部通報に関する要綱(平成30年彦根市告示第196号)第2条第3号に規定する内部通報を除く。
(3) 通報者 外部公益通報を行うとの意思に基づく通報をした外部の労働者等をいう。
(4) 所管課 通報対象事実等に係る事務を所掌する部署をいう。
(市の窓口)
第3条 外部公益通報の市の窓口(以下「通報窓口」という。)は、総務部総務課とし、その属する職員が外部公益通報の受付および相談に従事するものとする。
2 前項に規定するもののほか、市は、弁護士に外部公益通報の受付および相談の業務を委託して窓口を設け、当該弁護士が外部公益通報の受付および相談に従事するものとする。
3 前2項の規定にかかわらず、所管課は、外部公益通報の受付および相談を行うことができるものとし、当該所管課に属する職員が従事する。
(外部公益通報の方法)
第4条 外部公益通報は、次の各号に掲げる窓口に応じ、当該各号に定める方法により行うものとする。この場合において、通報者は、当該通報対象事実等が生じ、またはまさに生じようとしていると思料する場合は、法第3条第2号イからニまでに掲げる事項を記載した書面を提出するものとする。
(1) 通報窓口および所管課 郵送、ファクシミリ、電子メール等による外部公益通報書(別記様式第1号)または当該通報書の記載事項を記載した書面の提出、電話、面談その他の方法
(2) 前条第2項の窓口(以下「弁護士窓口」という。) 郵送、ファクシミリ、電子メール等による外部公益通報書(別記様式第1号)または当該通報書の記載事項を記載した書面の提出
(外部公益通報の受付)
第5条 通報窓口、弁護士窓口および所管課(以下「通報窓口等」という。)は、外部公益通報を受け付けたときは、当該外部公益通報に関する秘密保持および個人情報の保護に留意しつつ、通報者の氏名、連絡先、通報の内容となる事実等を確認するとともに、これを外部公益通報受付票(別記様式第2号)に記録するものとする。
2 通報窓口等は、外部公益通報の受付に際して、当該外部公益通報に関する秘密は保持されること、個人情報は保護されること、当該外部公益通報を受け付けた後の流れ等を、通報者に説明するものとする。
3 通報窓口等は、通報対象事実等について、市の機関が処分、勧告等を行う権限を有しないものであると認める場合は、通報者に対し当該通報対象事実等に係る処分、勧告等を行う権限を有する行政機関を教示するものとする。
(外部公益通報の処理)
第6条 通報窓口および弁護士窓口は、前条第1項の規定により外部公益通報を受け付けたときは、直ちに所管課に当該外部公益通報を引き継がなければならない。この場合において、弁護士窓口は、通報窓口を経由するものとする。
2 所管課は、前条第1項の規定により外部公益通報を受け付けたときは、その旨を通報窓口に通知するものとする。
3 所管課は、前条第1項の規定により受け付け、または第1項の規定により引継ぎを受けた外部公益通報に対応する必要性について、法の趣旨、市が有する法令上の権限を踏まえて十分検討し、受理または不受理を決定するものとする。この場合において、当該外部公益通報を受理するときは受理する旨を、受理しないときは受理しない旨およびその理由を、当該通報者に対し、遅滞なく通知する。
4 所管課は、当該通報対象事実等が生じ、またはまさに生じようとしていることの要件について検討するときは、外部公益通報の内容を裏付ける内部資料、関係者による供述等の存在のみならず、通報者本人による供述内容の具体性、迫真性等によっても認められ得ることを踏まえ、柔軟かつ適切に対応するものとする。当該要件が直ちに明らかでない場合において、個人の生命、身体、財産その他の利益に重大な影響を及ぼす可能性が認められるときも、同様とする。
(情報提供としての取扱い)
第7条 所管課は、第5条第1項の規定により受け付けた外部公益通報または前条第1項の規定により引継ぎを受けた外部公益通報を受理しないこととした場合において、当該外部公益通報に市の業務に有益な情報が含まれるときは、当該外部公益通報を情報提供として取り扱うことができる。この場合においては、同条第3項の規定による受理しないときの通知にその旨を付記するものとする。
(調査の実施)
第8条 所管課は、外部公益通報を受理したときは、事実確認のため必要な調査を、通報者が特定されないよう十分に留意しつつ、必要かつ相当と認められる方法により遅滞なく行うものとする。
2 所管課は、法令の適正な執行の確保および利害関係人の営業の秘密、信用、名誉およびプライバシー等の保護(以下「法令の適正な執行の確保等」という。)に留意の上、必要に応じて、通報者に対して調査の進捗状況を通知するものとする。
3 所管課の所属長は、第1項の調査の方法、内容等の適正性を確保するとともに、当該調査の適切な進捗を図るため、当該調査について適宜確認を行う等の方法により、当該外部公益通報に係る事案を適切に管理する。
4 所管課は、当該外部公益通報に係る通報対象事実等について、市が処分、勧告等を行う権限を有しないことが明らかになったときは、第1項の調査を取りやめ、通報者に当該通報対象事実等に係る処分、勧告等を行う権限を有する行政機関を教示するものとする。この場合において、所管課は、法令の適正な執行の確保等に支障がない範囲において、当該調査に係る資料を通報者に提供するものとする。
5 所管課は、第1項の調査の終了後、法令の適正な執行の確保等に留意の上、遅滞なく通報者に当該調査結果を通知するものとする。
(調査結果に対する措置等)
第9条 所管課は、前条第1項の調査の結果、当該外部公益通報に係る通報対象事実等の事実が存在すると認めるときは、法令に基づく措置その他適切な措置を講じなければならない。
2 所管課は、前項の措置を講じた場合は、その内容を、法令の適正な執行の確保等に支障がない範囲において、遅滞なく通報者に通知するものとする。
(通知を望まない通報者への対応)
第10条 通報窓口等は、通報者の連絡先が分からないとき、通報者が説明、教示、通知または資料の提供(以下この項において「説明等」という。)を望まないときその他やむを得ない理由があるときは、第5条第2項および第3項、第6条第3項、第8条第2項、第4項および第5項ならびに前条第2項の規定にかかわらず、説明等を行わないことができる。
(秘密の保持および個人情報保護の徹底)
第11条 外部公益通報の受付(第6条の規定による受付後の処理を含む。)、第8条の規定による調査および第9条の規定による措置ならびに外部公益通報の相談(以下「受付等」という。)に関与した者(受付等に付随する職務等を通じて受付等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、当該外部公益通報に関する秘密を漏らしてはならない。
2 受付等に関与した者は、知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、または不当な目的に利用してはならない。
3 受付等の各段階において、次に掲げる事項について十分に留意するものとする。
(1) 外部公益通報に関する情報を共有する通報窓口または所管課の職員の範囲および共有する外部公益通報の範囲を必要最小限に限定すること。
(2) 通報者および外部公益通報に関する相談をした外部の労働者等(以下「通報者等」という。)の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報、通報者等しか知り得ない情報その他外部公益通報を端緒とした情報を含む。以下同じ。)については、調査等の対象となる事業者に対して開示しないこと。ただし、受付等を適切に行う上で、真に必要な最小限の情報を次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。
(3) 通報者等の特定につながり得る情報を、第1号に規定する範囲外に開示する場合には、通報者等から書面、電子メール等による明示の同意を取得すること。
(4) 前号に規定する同意を取得する場合には、通報者等に対し、開示する目的および情報の範囲ならびに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、明確に説明すること。
(5) 通報者等本人からの情報流出によって通報者等が特定されることを防ぐため、通報者等に対して、情報管理の重要性について十分に理解させること。
(利益相反関係の排除)
第12条 通報窓口および所管課に属する職員ならびに弁護士窓口の弁護士は、自らが関係する通報対象事実等に係る外部公益通報の処理に関与してはならない。
2 受付等の各段階においては、受付等に関与する者が当該外部公益通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。
(対応後の措置)
第13条 所管課は、受付等が終了したときは、通報窓口に対応の結果を通知するものとする。
2 所管課は、受付等が終了した後においても通報者からの相談等に適切に対応するとともに、通報者等が外部公益通報または外部公益通報の相談をしたことを理由として、役務提供先から解雇その他不利益な取扱いを受けたと認める場合には、当該通報者等の保護に係る適切な措置を行うものとする。
(運用状況の公開)
第14条 市長は、外部公益通報の受付をした場合は、外部公益通報の件数、主な内容等について、年度ごとに公表するものとする。
(その他)
第15条 この要綱に定めるもののほか必要な事項は、市長が別に定める。
付 則
この告示は、平成31年4月1日から施行する。
付 則(令和4年5月31日告示第169号)
この告示は、令和4年6月1日から施行する。
別記様式第1号(第4条関係)
外部公益通報書

様式第2号(第5条関係)
外部公益通報受付票