○彦根市空家等の適正管理および活用に関する条例
| (令和7年7月1日条例第27号) |
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彦根市空き家等の適正管理に関する条例(平成24年彦根市条例第30号)の全部を改正する。
(目的)
第1条 この条例は、空家等対策の推進に関する特別措置法(平成26年法律第127号。以下「法」という。)に定めるもののほか、空家等および法定外空家等の適正な管理、適切に管理されていない空家等および法定外空家等に対する措置、空家等および法定外空家等の活用の促進等について必要な事項を定めることにより、もって市民等の生命、身体および財産を保護し、良好な生活環境の保全および快適なまちづくりの推進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において使用する用語は、法において使用する用語の例によるほか、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 法定外空家等 市内に存する長屋もしくは共同住宅の住戸またはこれらに付属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるものおよびその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む。)をいう。ただし、国または地方公共団体が所有し、または管理するものを除く。
(2) 管理不全法定外空家等 適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定法定外空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認められる法定外空家等をいう。
(3) 特定法定外空家等 そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態または著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる法定外空家等をいう。
(4) 所有者等 所有者または管理者をいう。
(5) 事業者 不動産業、建設業その他の空家等および法定外空家等の管理および活用に関連する事業を行う者をいう。
(6) 市民等 市内に居住し、通勤し、通学し、または滞在する者をいう。
(市の責務)
第3条 市は、空家等または法定外空家等の適切な管理および活用に関する施策(以下「市の施策」という。)を実施するとともに、空家等または法定外空家等の所有者等、事業者および市民等に対して空家等または法定外空家等を放置せず活用する意識の啓発を行うものとする。
2 市は、管理不全空家等、特定空家等、管理不全法定外空家等または特定法定外空家等の所有者等による適切な管理の促進を図るため、必要な措置を講じるものとする。
3 市は、空家等および法定外空家等に対する必要な施策を講じるため、事業者、市民等、自治会その他の地域の団体、有識者、各種団体等と連携を図るよう努めるものとする。
(空家等または法定外空家等の所有者等の責務)
第4条 空家等または法定外空家等の所有者等は、周辺の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、空家等または法定外空家等を適切に管理するよう努めるものとする。
2 空家等または法定外空家等の所有者等は、市の施策に協力するとともに、空家等または法定外空家等もしくはそれらの跡地の適切な管理および活用等に努めるものとする。
3 空家等もしくは法定外空家等の敷地の所有者は、当該敷地を他人に使用させている場合は、当該敷地に存する建築物、工作物、立木竹その他の物の所有者等に対してこれらを適切に管理させるよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第5条 事業者は、市の施策および空家等または法定外空家等もしくはそれらの跡地の適切な管理および活用等に協力するとともに、事業活動を通じて流通の促進に努めるものとする。
(市民等の責務)
第6条 市民等は、市の施策に協力するとともに空家等および法定外空家等の発生予防に努め、管理不全な状態であると思われる空家等または法定外空家等があると認めるときは、速やかに市長にその情報を提供するものとする。
(立入調査等)
第7条 市長は、法定外空家等の所在および当該法定外空家等の所有者等を把握するための調査その他法定外空家等に関し、この条例の施行のために必要な調査を行うことができる。
2 市長は、第14条から第17条までの規定の施行に必要な限度において、法定外空家等の所有者等に対し、当該法定外空家等に関する事項に関し報告させ、またはその職員もしくはその委任した者に、法定外空家等と認められる場所に立ち入って調査をさせることができる。
3 市長は、前項の規定により当該職員またはその委任した者を法定外空家等と認められる場所に立ち入らせようとするときは、その5日前までに、当該法定外空家等の所有者等にその旨を通知しなければならない。ただし、当該所有者等に対し通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 第2項の規定により法定外空家等と認められる場所に立入調査をする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第2項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(法定外空家等の所有者等に関する情報の利用等)
第8条 市長は、固定資産税の課税その他の事務のために利用する目的で保有する情報であって氏名その他の法定外空家等の所有者等に関するものについては、この条例の施行のために必要な限度において、その保有に当たって特定された利用の目的以外の目的のために内部で利用することができる。
2 市長は、この条例の施行のために必要があるときは、関係する地方公共団体の長、法定外空家等に工作物を設置している者その他の者に対して、法定外空家等の所有者等の把握に関し必要な情報の提供を求めることができる。
(データベースの整備等)
第9条 市長は、管理不全法定外空家等および特定法定外空家等に関するデータベースの整備その他これらに関する正確な情報を把握するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
(所有者等による法定外空家等の適切な管理の促進)
第10条 市長は、所有者等による法定外空家等の適切な管理を促進するため、これらの者に対し、情報の提供、助言その他必要な援助を行うよう努めるものとする。
(土地所有者等に対する協力要請)
第11条 市長は、土地所有者、市民等、自治会その他の地域の団体その他の者に対し、空家等または法定外空家等の情報の提供その他市長が特に必要があると認める事項について協力を求めることができる。
(関係機関との連携)
第12条 市長は、この条例の施行のために必要があると認めるときは、警察その他の関係機関に対して、空家等または法定外空家等の所有者等の情報の提供等その他市長が特に必要があると認める事項について協力を求めることができる。
2 市長は、法第10条第3項の規定に基づく提供または前項の規定に基づく協力を得るために、次に掲げる情報を提供することができる。
(1) 法第9条の規定による調査により得られた情報
(2) 法第13条第1項の規定による指導の内容または同条第2項の規定による勧告の内容
(3) 法第22条第1項の規定による助言もしくは指導の内容または同条第2項の規定による勧告の内容
(4) 第7条第1項または第2項の規定による調査により得られた情報
(5) 次条第1項の規定による指導の内容および同条第2項の規定による勧告の内容
(6) 第14条第1項の規定による助言または指導の内容および同条第2項の規定による勧告の内容
[第14条第1項]
(管理不全法定外空家等の所有者等に対する指導および勧告)
第13条 市長は、管理不全法定外空家等の所有者等に対し、管理不全法定外空家等が特定法定外空家等に該当することとなることを防止するために必要な措置をとるよう指導をすることができる。
2 市長は、前項の規定による指導をした場合において、なお当該管理不全法定外空家等の状態が改善されず、そのまま放置すれば特定法定外空家等に該当することとなるおそれが大きいと認めるときは、当該指導を受けた者に対し、修繕、立木竹の伐採その他の当該管理不全法定外空家等が特定法定外空家等に該当することとなることを防止するために必要な具体的な措置について勧告することができる。
(特定法定外空家等の所有者等に対する助言または指導および勧告)
第14条 市長は、特定法定外空家等の所有者等で市長が必要と認める者に対し、当該特定法定外空家等に関し、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態または著しく衛生上有害となるおそれのある状態にない特定法定外空家等については、建築物の除却を除く。次項において同じ。)をとるよう助言または指導をすることができる。
2 市長は、前項の規定による助言または指導をした場合において、なお当該特定法定外空家等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言または指導を受けた者に対し、相当の猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告することができる。
(勧告に係る意見陳述および届出)
第15条 市長は、法第13条第2項、法第22条第2項、第13条第2項または前条第2項の勧告を行おうとするときは、あらかじめ、当該勧告に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。
2 法第13条第2項、法第22条第2項、第13条第2項または前条第2項の勧告を受けた者が当該勧告に係る状態を改善したときには、速やかに市長にその旨を届け出なければならない。
(公表)
第16条 市長は、法第22条第2項または第14条第2項の勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その旨および次に掲げる事項をインターネットの利用その他の方法により公表するとともに、その事実を示した標識を当該特定空家等または特定法定外空家等に設置することができる。
(1) 勧告に従わない者の氏名および住所(法人その他の団体にあっては、その名称、代表者の氏名および主たる事務所の所在地)
(2) 勧告に係る特定空家等または特定法定外空家等の所在地
(3) 勧告によりとるべきものとされた必要な措置の内容
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事項
2 市長は、前項の規定による公表を行おうとするときは、あらかじめ当該公表に係る者に意見を述べる機会を与えなければならない。
(命令)
第17条 市長は、第14条第2項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかったときは、その者に対し、相当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
[第14条第2項]
2 市長は、前項の措置を命じようとする場合においては、あらかじめ、その措置を命じようとする者に対し、その命じようとする措置およびその事由ならびに意見書の提出先および提出期限を記載した通知書を交付して、その措置を命じようとする者またはその代理人に意見書および自己に有利な証拠を提出する機会を与えなければならない。
3 前項の通知書の交付を受けた者は、その交付を受けた日から5日以内に、市長に対し、意見書の提出に代えて公開による意見の聴取を行うことを請求することができる。
4 市長は、前項の規定による意見の聴取の請求があった場合においては、第1項の措置を命じようとする者またはその代理人の出頭を求めて、公開による意見の聴取を行わなければならない。
5 市長は、前項の規定による意見の聴取を行う場合においては、第1項の規定によって命じようとする措置ならびに意見の聴取の期日および場所を、期日の3日前までに、前項に規定する者に通知するとともに、これを公告しなければならない。
6 第4項に規定する者は、意見の聴取に際して、証人を出席させ、かつ、自己に有利な証拠を提出することができる。
7 市長は、第1項の規定による命令をした場合においては、法第22条第13項の例によりその旨を公示しなければならない。
8 前項の規定により設置する標識は、第1項の規定による命令に係る特定法定外空家等に設置することができる。この場合において、当該特定法定外空家等の所有者等は、当該標識の設置を拒み、または妨げてはならない。
9 第1項の規定による命令については、彦根市行政手続条例(平成8年彦根市条例第25号)第3章(第12条および第14条を除く。)の規定は、適用しない。
(代執行等)
第18条 市長は、前条第1項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないときまたは履行しても同項の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和23年法律第43号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、または第三者をしてこれをさせることができる。
2 前条第1項の規定により必要な措置を命じようとする場合において、過失がなくてその措置を命ぜられるべき者(以下この項において「命令対象者」という。)を確知することができないとき(過失がなくて第14条第1項の助言もしくは指導または同条第2項の勧告が行われるべき者を確知することができないため前条第1項に定める手続により命令を行うことができないときを含む。)は、市長は、当該命令対象者の負担において、その措置を自ら行い、またはその命じた者もしくは委任した者(以下「措置実施者」という。)にその措置を行わせることができる。この場合において、市長は、その定めた期限内に命令対象者においてその措置を行うべき旨およびその期限までにその措置を行わないときは市長または措置実施者がその措置を行い、当該措置に要した費用を徴収する旨を、あらかじめ公告しなければならない。
(特定法定外空家等に対する措置に関する委任)
第19条 第14条から前条までに定めるもののほか、特定法定外空家等に対する措置に関し必要な事項は、市長が別に定める。
[第14条]
(緊急安全措置)
第20条 市長は、空家等または法定外空家等が著しく管理不全な状態であるため、人の生命、身体または財産に危険な状態が切迫していると認めるときは、当該危険な状態を回避するために必要な最小限度の措置(以下「緊急安全措置」という。)を自ら行い、または措置実施者に行わせることができる。
2 市長は、緊急安全措置を自ら行い、または措置実施者に行わせたときは、当該空家等または法定外空家等の所有者等に対し、通知(当該所有者等またはその連絡先を確知することができない場合にあっては、公告)をしなければならない。
3 第1項の場合において、市長は、緊急安全措置に要した費用を当該空家等または法定外空家等の所有者等から徴収することができる。
(軽微な措置)
第21条 市長は、地域における防災上、防犯上または生活環境もしくは景観の保全上の支障を除去し、または軽減することができると認めるときは、空家等または法定外空家等の開放されている扉または窓の閉鎖、支障物の移動、立入禁止のための措置その他必要最小限の軽微な措置を自ら行い、または措置実施者に行わせることができる。
(技術的援助)
第22条 市長は、法第13条第1項、法第22条第1項、第13条第1項または第14条第1項の助言もしくは指導に従って管理不全空家等、特定空家等、管理不全法定外空家等または特定法定外空家等の所有者等が必要な措置その他の措置をとろうとする場合において、必要な技術的援助を行うことができる。
2 市長は、特定空家等または特定法定外空家等の所有者等がとるべき必要な措置をとらない場合またはこれらの所有者等を確知できない場合において、これらの土地所有者が自ら必要な措置をとろうとするときは、当該土地所有者に対して、必要な技術的援助を行うことができる。
(活用)
第23条 空家等または法定外空家等の所有者等は、当該空家等を利用する見込みがないときは、賃貸、譲渡その他の当該空家等を活用するための取組を行うよう努めるものとする。
2 空家等または法定外空家等の敷地の所有者等は、当該空家等が除却されたときは、跡地を活用するための取組を行うよう努めるものとする。
3 事業者は、前2項の取組に協力するよう努めるものとする。
4 市長は、法定外空家等およびその跡地(土地を販売し、または賃貸する事業を行うものが販売し、または賃貸するために所有し、または管理するものを除く。)に関する情報の提供その他これらの活用のために必要な対策を講ずるよう努めるものとする。
(彦根市空家等対策推進協議会)
第24条 法第8条第1項に規定する協議会として、彦根市空家等対策推進協議会(以下「協議会」という。)を置く。
2 協議会は委員9人以内をもって組織する。
3 委員の任期は2年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が別に定める。
(規則への委任)
第25条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(過料)
第26条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の過料に処する。
(1) 第7条第2項の規定による報告をせず、もしくは虚偽の報告をし、または同項の規定による立入調査を拒み、妨げ、もしくは忌避した者
[第7条第2項]
(2) 第17条第1項の規定による市長の命令に違反した者
[第17条第1項]
付 則
この条例は、令和7年8月1日から施行する。