9月28日プレスリリース:企画展「上田道三―彦根の歴史風景を描く―」を開催します

更新日:2022年09月28日

このたび、彦根城博物館において、みだしの展覧会を開催いたしますのでお知らせします。

展覧会名称

企画展「上田道三―彦根の歴史風景を描く―」

会期

令和4年(2022年)10月8日(土曜日)~11月7日(月曜日)
会期中無休
開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)

会場

彦根城博物館
展示室1・2

展示の趣旨

上田道三(うえだみちぞう)は、明治41年(1908)に現在の彦根市に生まれました。尋常小学校6年生の頃に京都へ出て、南画風の独特の画風で知られる画家不染鉄(ふせんてつ、本名哲治(てつじ)、1891-1976)の内弟子となり、奈良に拠点を移した不染に同行し、同地の中学校に通いながら絵を学びました。昭和7年(1932)に京都絵画専門学校に入学、卒業後も同校研究科に進み、当時の京都画壇の巨匠、中村大三郎(なかむらだいさぶろう)に師事しました。最初の師であった不染の筆遣いが独特であり、学校で教えられる絵とは異なったため、その影響から抜け出すのに苦労したという逸話が残っています。

昭和21年(1946)、道三は京都の屋敷を売り払い、彦根に帰郷しました。この頃の心境を道三は後に、「彦根市に帰住し昔から現在まで誰も書いていない日本城郭資料画記録図の完成を終生の仕事と志す」と記しています。そして昭和25年(1950)頃から城郭のスケッチに専念し、古書や古絵図も参考に制作を進め、同33年にはその集大成となる大作、「彦根城郭旧観全景図」を完成しました。また、武家屋敷や古民家の絵の制作にも取りかかり、後に150メートルに及ぶ大絵巻を完成させています。

道三がこうした制作を続けた背景には、彦根周辺の町並みが急速に変わっていくことへの嘆きと、記録に留めなければならないという強い思いがありました。地元の歴史研究会の一員となって郷土史家等と交流を深め、昭和36年(1961)頃から、自ら「記録画」と称した城下や古民家などの絵の制作に本格的に取り組み、その活動に生涯を捧げることとなりました。その功績が讃えられ、昭和47年(1972)に彦根市功労者として功労賞が、昭和54年(1979)には滋賀県文化賞の文化功労賞が贈られました。

昭和59年(1984)、道三は75才で永眠しました。その2年後、道三が所蔵していた記録画が彦根市に寄贈されました。これらは現在も、展示会や種々の印刷物等で活用され、昔を偲ぶよすがとして親しまれています。

本展では、道三が描いた彦根の風景画を中心に紹介し、併せて、官展などへの入選を重ねた若き日の作品も展示します。彦根を愛した画家、上田道三の画業を一望する初めての展覧会です。

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この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 彦根城博物館 学芸史料課学芸係

電話:0749-22-6100
ファックス:0749-22-6520

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