詩 市民文芸作品入選集
 入 選 

山之脇町 木村静子

カーテンを 開ける
朝日が 目にとびこむ
雨壷山の木々が まばゆく かがやく
いつも 見る景色
嫁ぎ来て 四十年
ワラを炊いての 朝支度
煙が目に 痛かった
遠い思い出
子供達も 家を出て
スイッチ 押すだけの 朝支度
二人だけの朝 お早よう と 夫の声


( 評 )
子供達が独立して去ったあとの老夫婦の生活がよく表されている。夫の声や雨壷山と云う固有名詞が作品の上でよく生かされている。

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