今
僕が僕にできる事に
こだわっていたあの頃
普通を語る君を 淋しく思った
何にでも成れると 信じていた
あの幼い頃を過ぎて
何にも成れない自分が
ここに 立ちすくんでいた
だけど
宙に包まれ
風に包まれ
雨に包まれ
闇に包まれ
陽に包まれ
全てに包まれていると気づいた時
僕もまた
包む側の一片ピースだと やっとわかった
僕は
花であり
魚であり
君であり
テレビに映る犯罪者でもある
全てが
僕であったことも やっと気づいた
今
少しガタがきたけど
この動く両手足と
少し見にくくなったけど
まだまだ充分なこの眼と
おしゃべり好きな この唇と
不自由をしない耳を持つ
この器を使い
さて
何が できる
何を 始めようか |