今、手元にある作品群は、年齢も、性別もましてお名前も全く分からない状態なのですが、作品の内容から想像しますと、いつにもまして若い人からお年寄りまで広い世代にわたっての応募をいただいたように思います。そこには、それぞれの世代が感じているあるいは背負っている問題が浮き彫りになっていて、その多彩な場面から私たちは大変複雑な社会に置かれているのだなあと実感します。それは、作者の皆さんが、それぞれの状況を自分の中に取り込んで、自分の言葉で表現しておられるからこそ読むものになるほどと思わせて呉れるからだと思います。
　作品に即していえば、もう少しの推敲がどんなにその作品を引き立たせたことかと思うことが多々ありました。また一人よがりにならないために誰かに自分の作品を読んでもらうことも大変重要なことだという思いもしました。自分を表現するということは大変難しいことですが、試行錯誤して沢山書くことが大切なことだと思います。