風 花
軽ろやかに落ちてくる
小さいのやら 大きいのやら ふあふあと それは空をはなれるとき生まれ 風の心にそって 舞いおりながら 或るときは二度三度と舞い上がり あらためて下りてきて 地に消える
風花が舞い上がるとき それは私の春であったり 子供たちを育てつづけた あの目まぐるしい時であったり 家族が 私の視野の中にいた頃であったり 遠い日を眼に遊ばせるのだが
ふり返る時間はやわらかく すぎ去った時間は短い
あわい雪は 目の前でかたい土に消える そこに何があるのか