老 骨
昨日の寒さは格別骨身に滲みた
うなる風 目も口も開けぬ程の吹雪
仕上げを急ぐ庭の石積に追われ
無理して頑張り続けたが
九分通りの出来で遂に休息
後一日 お天気が助けてくれたなら、と
思いつゝ眺める翌朝の庭先
ほころびかけた白梅がじっと堪え
山茶花の紅が雪に震える
雪明りの空間には確実に春を恋うる
木々の冬芽もかすかに
その張力を意識し始めて頼もしい
田舎暮しに些の誇りを持ち
ほど に食べて生き
心まかせの楽農、快遊、快眠と
気まゝを通す一徹者のよろこびわ
何んと言っても
この身を守り育んでくれる大自然の力と
健康体のお蔭様なのだ
八十に手の届く老体に
年甲斐もなく闘志が湧いて来た
好きな庭造りの道 鼻水すゝりながら
この雪消えたらもう一踏ん張りだ
お天道さんにまた笑われよう。
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