自画像
絵の中の私は 何を思う人
熱い眼差しは いったい 何に向かっているのか
私なのに わからない
不思議だあ
また こうして見ると 違った人に出会ったような そんな感覚にさえも捕われる
また 私自身が 絵の中に入り込むような得体の知れない空間を 行ったり来たりするようで それはまるで 神にでも操〔あやつ〕られているようで
そんな感覚に 襲〔おそ〕われながら
再びまた 現実の私に戻ってくる
これが 何度〔いくど〕と繰り返される
また 今まで 見えなかったものまでが
はっきりと 見えて来るようで
ちょっと 気恥ずかしさもあり
これは 油断大敵だ
今まさに 私と向きあえとでも言うのか
全く 興味深いものである
次に 言い現わしがたい感情が現れてきた
私って こんなだったろうか
不思議だあ
それは 嬉しいような 懐かしいような
ほのぼのとしたものである
第IIの私が 出来たようで
喜びと安心の中
ぬくもりは あるけれど
私なのに 私ではない
そんな 不思議さが そこにある |