雨水の ころ
幼な子が おぼつかない手で ページを めくっている 指先もまだ ぎこちないのに 喃語で よんでいる わたしが愛読している ぶ厚い哲学書の いつからか 挟んだままの枝折りの 難解な部分を パラパラと開けて みて 小さな背を丸めて よんでいる その丸っこさが弾んでみえる 謎が解けたみたいに