<総評>
本年も沢山のご応募ありがとうございました。作品の内容からだけで想像しますと、若い人からお年寄りまで広い世代にわたっての応募をいただいたように思い、裾野が広がることを嬉しく思っています。
ある先達詩人が一つの詩の中に「立ち止まる一行がほしい」とおっしゃったことがあります。沢山はいらない一行でいい。これは読者が詩を読むとき立ち止まるような新鮮でインパクトのある一行がその詩にあるのかを問われた言葉だと思います。それは当然あなたご自身の一行でなくてはなりません。これは大変難しいことですが、少なくとも詩を書こうとする人間が何時のときも心にとどめておかなければならない言葉だと思います。自分にしか書けない一行、それには沢山書き込むことが必要ですし、またあらゆる事象にアンテナを張り巡らせることが必要です。
私自身この一行こそがこの詩の命だと提示できたらどんなに幸せだろうと何時も思っています。
(石内 秀典) |