辺境にいる
〝白線の内側でお待ちください〟 駅のアナウンスが 流れるたびに 白線の外側につづく 茫漠とした空間を見つめる それは荒野なのか 海なのか 地上の直線は地球を廻ると 円になる 円の外側を走り去っていく 盗賊のような一団 彼らが吹く笛の音が響いても やつらには ついに会えないのだ 全き円の淵には 発つべき 目印がない 禁忌ばかりの 円に閉じ込められ 爪先立つ私は