淡雪
芽ぶき色を 少しずつ添えはじめた ある朝 パレットに 白い絵の具 残っているので 今一度 塗り届けます と 空から 思わぬ贈り物 何か 覆ってみたかったのか 白一色の ひと時 日が射しはじめると 思いが包み込めたように みるみる間に 溶け出し 木々の枝先 草の葉先で 水晶の芽になり 遊んでいる 後向きになりかけた とまどいも キラキラ輝く 玉の芽に消され 心 はずむ ふと 見上げた空は 気まぐれを 忘れ もう 春色