<総評>
今年は昨年に比べ応募数が大幅に増えました。しかしこれは昨年応募数が少なかったせいで、一昨年の数と変わりませんが元に戻ったことは大変うれしいことです。
詩のあり様については多くのことが言われますが、私たちでも出来ることの一つに言葉の吟味ということがあります。全く新しい言葉を作るわけにはいきませんから所詮今まで使われてきた言葉で書くことしか出来ません。そこで日常使われている言葉に新しい何かを付加しそれによって今まで以上の新しい何かが表現できたら幸いです。昨今「絆」という言葉が良く使われますが、もともとの意味は犬や馬をつなぐ綱を表していたといいます。そこには縛られ
ている関係しか見えませんが、今使われている「絆」にはもっと双方向の思いやりが含まれています。このように言葉は変遷し意志によって新しい何かを付加できるのだと思います。そんな試みをすることは書くものの最大の自由かも知れません。
その上で自分が書いてみたその言葉が他の人に伝わるかどうか、それを知るために自分の作品を多くの人に読んでもらう又他人の作品を読む、そのような機会をさらに持って欲しいと思います。
(石内 秀典) |