詩 市民文芸作品入選集
入選

ゆあちゃん
馬場二丁目 清水 はる

近くに住む ひ孫の
ゆあちゃんがやってくると
わが家に春が どっとくる

城山で拾った
どんぐり 松ぽっくり
縁の日なたで待っている

  ばあちゃん あちょぼ

家族をつなぐわが家の天使

  どんぐりころころ
  どんぐりこ

歳の差 九十一
お手てつないで唄います
庭の木に四十雀が首を振っている

  お池にはまって
  さあ たいへん

ゆあちゃんの ママを
乳母車に お守りして
 唄った とおい日が
浮かんできた

  人生は一瞬のまばたき

あの人の あの日の言葉を
抱きしめている



( 評 )
 年齢差九十一のひ孫との交流をほほえましく描いているが、何より驚くのは、作品から伝わってくる瑞々しさである。過ぎた時間を懐かしむだけでなく、現在に反映させ活き活きさせる感性の若さに脱帽。

もどる