市民文芸作品入選集
短歌
井伊文子 木村光子 小西久二郎 :選
 

 特 選 
犬上郡甲良町   村西くに子
西今町   小菅栄
松原町   落合秀
 
 入 選 
西今町   久永朝子
平田町   麻生恵子
西今町   小笹雅子
犬上郡甲良町   野瀬ミキ
坂田郡米原町   岡野和子
犬上郡甲良町   木村弘子
<総 評>
 応募作品には、熟練の味、新鮮な詠みぶりが犇めき、作者それぞれの生きざまが映されています。そこには、心の内面や揺らぎを見ることができます。顧みる心、希求の思いにあふれて選歌に集中いたしました。
 深い感動、みずみずしい体験をより正確に、より強く読者に伝えるために、私達は「ことば」に大きく凭りかかります。「文語」か「口語」か「漢字」か「仮名」か、その上、定型に収め、感覚を研ぐことまで、すべて短歌の第一歩です。自分の殻に閉じこもることなく、自在の視野を広げることに邁進して下さい。
 二十一世紀の「いま」を生きる人間の、心の曲折を大切に、「ことば」で掬い上げていただきたいものです。
木村光子

 本年は昨年より四人十四首多くの応募があった。それよりも質的向上がみられたのがうれしい。それは県大会においても、全国的にみても同じことが言える。いつも言っているのだが、自分が一体「なにを」うたおうとしているのか、先ず考えてみる必要がある。感動なしに作品はできないからである。次には「いかに」表現するかである。いくつもある同義語から、その歌に合った言葉をさがす、これが大切である。更にその語句をどう配置するか、これによっても歌は大きく変ってくるから、これも重要なことである。今一つはメモをとることである。その時にしておかないとすぐ忘れてしまうからである。特選、入選、佳作、あるいは選外といえどもそう大きな差はない。以上を念頭に励んでほしい。歌は才能ではない。努力である。努力するのみである。
小西久二郎

 
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