市民文芸作品入選集
冠句
藤野畔子 園田鏡石 野田一路 :選
 

 特 選 
犬上郡豊郷町   西山 和子
田附町   大谷 みつ子
田附町   柴田 喜久三
 
 入 選 
犬上郡豊郷町   赤塚 清女
大藪町   寺田 すゑ子
稲里町   赤田 恒夫
鳥居本町   滝口 寿美夫
肥田町   森野 勝
新海町   野田 惣次郎
 
佳 作
新海町   安居 清七   神崎郡能登川町  章
稲里町   江波 敏子   田附町 上田 文子
金沢町   浅野 成子   肥田町 森野 久子
南川瀬町   市川 久芳   本庄町 田口 文子
甲崎町   神崎 ひさ子   新海町 福沢 源流
後三条町   吉原 初美   開出今町 川添 照子
犬上郡豊郷町   西山 みさを   田原町 筈見 和子
原町   伊藤 孝円   田附町 中川 しげ子
田附町   大谷 貞三   稲里町 川村 利男
西今町   アネモネ   稲部町 山本 幸子
金沢町   池田 マサ   堀町 河分 武士
金沢町   川嵜 康博    
 
<総 評>
 
 今回の冠題は冠句の基本となる句の心をどのように捉えたか、又色々な角度から見た答が新鮮な言葉で出すことが出来たかがポイントになります。このような点を考えて三題からほぼ平均になるよう選出してその「上位句」から作者番号が重ならないことも配慮しました。今回平均して陽想句(明るい句)が少なかったことは出題に由来するとは思いますが佳作で対象的な二句を説明して総評と致します。
 先ず、陽想句としての『楽らくと補助車はずしてとくい顔』、さらに蔭想句としての『雲一つ こだわり捨てに来た海辺』、陽の句には、自転車にはじめて乗れた孫の明るい笑顔をうまく捉えて冠題に答えている点、蔭の句としては、どんな「こだわり」かは別として、その想いを海の彼方に浮かんだ白い雲に繋いだ技法は老練な作者かと思います。このように総数二八六に及ぶ力作の中から限られた三二句を選ぶことは至難の業で、今回入賞されなかった多くの作品の中にも入賞句に劣らない優秀作が多くあったことを申し上げ総評と致します。
藤野 畔子

 
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