<総評>
未曾有の震災は、筆舌に尽しがたく、被災者の愁いは原発事故でダブルパンチになりました。心よりお見舞い申し上げます。
以来、短歌や川柳部門では震災をテーマにした作品も多数見受けられました。応募日数も延びた事もあり、俳句部門でも多いかなと思っていましたが、意外に僅かでした。地震や津波は季語でなくて俳句にするには必ず季語を入れなくてはならず、十七音から季語に削られて小さくなった器に、とてつも無い巨大なドラマを集約するのは高ハードルになったと思われます。目の前にテーマは山積されいても、俳句に表現しづらいのは宿命かも知れません。
仮にその場しのぎの季語を入れても、違和感は否めないようです。こんな時こそ前向きに明るいドラマの写生に精進していきたいと思っています。
(湖 風) |