小・中学生に「生活についてのアンケート調査」を行い、ヤングケアラーの概況を把握しました(速報)
概要
彦根市では、ヤングケアラーとなっている子どもやその家庭に効果的な支援を行うための基礎資料とするため、市立小・中学生を対象とした「生活についてのアンケート調査」を独自に行いました。
その結果、彦根市においても、一定数のヤングケアラーが潜在していることが明らかになりました。
なお、当アンケートでは「ヤングケアラー」の用語を使用せずに質問し、「ヤングケアラー」という言葉を知らない児童も回答しやすいように、また、逆に意識しすぎて本意と違う回答をすることがないよう、児童の心理的負担を小さくするように配慮したうえで、児童自身の状態を回答してもらい実態把握に努めました。
調査の背景および目的
ヤングケアラーは、本来大人が担うような家事や家族のケアを、子どもが重い責任や負担を負って日常的に行うことで、その育ちや教育に影響があることが課題とされています。ヤングケアラーとなっている子どもやその家庭に効果的な支援を行うには、現状を把握し必要とされる支援内容を明らかにすることが不可欠であることから、実態調査を行いました。
調査の対象・方法
調査対象
市立小学校に在籍する小学5年生~6年生 2,148人
市立中学校に在籍する中学1年生~3年生 3,019人
計 5,167人
調査期間
令和4年9月26日(月曜日)~同11月15日(火曜日)
調査方法
無記名式アンケート(学校において調査期間内に一定の時間を取っていただきタブレットを活用した電子アンケートを実施)
一部、タブレットの使用が困難な児童においては紙面によるアンケートを実施の上で合算した。
回答数
市立小学校に在籍する小学5年生~6年生 1,936人(回答率90.1%)
市立中学校に在籍する中学1年生~3年生 2,387人(回答率79.1%)
計 4,323人(回答率83.7%)
ヤングケアラーに関する主な調査項目
- お世話している家族の有無
- お世話している家族がある場合は、その内容や相談先の有無
- 学校や周りの大人にしてほしいこと など
調査結果のポイント
調査項目 | 小学生 | 中学生 | 計 |
お世話している家族がいる |
19.8% |
11.0% (262人) |
14.9% (646人) |
調査項目 | 小学生 | 中学生 | 計 |
内、お世話の頻度が週に3日を超える | 66.7% (256人) [全体割合] 13.2% |
56.5% (148人) [全体割合] 6.2% |
62.5% (404人) [全体割合] 9.3% |
内、生活への影響を感じている | 33.9% (130人) [全体割合] 6.7% |
25.2% (66人) [全体割合] 2.8% |
30.3% (196人) [全体割合] 4.5% |
- お世話している家族がいる児童の中には、お手伝いと考えられるような軽微なものが含まれていると考えています。
- 軽微なものであってもお世話の頻度が週に3日を超えるような頻回な場合は、育ちに何らかの影響が出る可能性があると考えられます。
- よって、本市ではお世話の頻度が週に3日を超える児童(全回答数の9.3%(404人))の数を家族のお世話を日常的に担っているヤングケアラーであると仮定して支援策の検討をすすめることとします。
彦根市の今後の取組
- 本調査の結果を踏まえ、少なくない数の児童が家族のお世話を日常的に担っている事実を周知することで、地域、学校等での対象児童の把握と支援につなげます。
- 今回、調査対象とした児童に対して、調査結果を含めた啓発チラシを配布することで、当事者から相談しやすい環境の整備を図ります。
- アンケート調査結果の詳細な分析を進め、児童を含む家庭全体が抱えている困難を把握するとともに、必要とされる支援策の検討を行います。
- アンケート調査結果の詳細な分析は令和4年度内に取りまとめ、公表する予定です。
更新日:2024年09月02日