地形・地質

更新日:2019年08月30日

荒神山の湖東流紋岩

湖東流紋岩の写真

 今から約1億年前(中生代白亜紀)の滋賀県ではいくつもの火山活動があったと考えられています。荒神山は、そのころの火山活動でつくられました。
 火山噴火には、多量の溶岩を流すもの、火山灰や軽石を吹き上げるもの、火砕流という流れをつくり出すものなどがあります。荒神山をつくった火山活動は、火砕流をともなうものでした。

地点1の露頭スケッチ
「郷土の自然のなりたちを探る」
(山村秀人 原図)(1975)より

荒神山岩相分布図

 火砕流とは高温の水蒸気を含んだ火山灰や軽石などが、周辺の岩石や地層をぶちぬいて地表に噴出し、周辺の山腹に沿って低い方へと流れていく現象です。このときの流れの速さは、時速100キロメートル、温度400度~450度だと言われています。最近では長崎県雲仙普賢岳の火山噴火の際に火砕流が発生しています。
 火砕流は、土地の低い部分や谷の部分にたまり、自分自身の重さと熱によって火山ガラス、軽石、火山灰などがペシャンコになってくっつき合い一つの岩石となります。このようにしてできた岩石を溶結凝灰岩といいます。

地形・地質

「郷土の自然のなりたちを探る」(1975)より

 この溶結凝灰岩の化学的な成分が流紋岩質であることから、この岩石を「湖東流紋岩」と呼んでいます。荒神山はこの岩石からできており、湖東平野の中にぽつぽつとある小高い山の多くも湖東流紋岩からできています。

流紋岩
 火山岩の一種。溶岩が地表近くで急に冷えて固まり、できた岩。

カコウ岩、湖東流紋岩分布図

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