石垣の話(恐竜の時代)

更新日:2019年08月30日

天守閣の石垣を見ると、白っぽく、そしてそのところどころに黒っぽい小石を含んでいます。なかには、あばただらけの石もあります。明らかに城山をつくっているチャートとは違います。
この岩は、今から7、8千万年ほど前、恐竜の時代が終わりに近づいたころ、今の永源寺付近に中心を持った大きな火山の活動によってできたものです。この火山はカルデラ形で、広く今の湖東地方に広がっていて、さかんに爆発を繰り返していました。
この爆発は、溶岩を噴出せず火山灰や軽石などが熱い火山ガスとともに時速100キロメートルに近い速さで山腹を流れ下り、低くなった場所で長い間高い熱を発しながらたまるといった少し変わったものでした。
こうしてできた岩を「溶結凝灰岩」といいます。荒神山やその南の湖東平野に散らばる山々はこの岩でできていて、特に「湖東流紋岩」とも呼ばれています。
この「湖東流紋岩」は県内のあちこちで城の石垣などに使われ、彦根城を築くときにはそれらの石が集められました。
石垣の中に含まれている小石は、この火山活動で巻き込まれた周囲の岩の破片なのです。

火山の石(湖東流紋岩類)の分布図
(出典「生きている化石湖)

湖東流紋岩の電子顕微鏡写真

電子顕微鏡写真

石垣(火砕流を主とした噴出)の画像
石垣(カルデラ形成と犬上カコウハン岩の貫入)の画像
石垣(浸食された現在の姿)の画像

この記事に関するお問い合わせ先

市民環境部 生活環境課

電話:0749-30-6116
ファックス:0749-27-0395

メールフォームからお問合せする