第60回(令和6年度)「彦根市民文芸作品」入賞者決定

更新日:2024年09月02日

HP番号: 25345

日ごろの文芸創作活動の成果を発表していただくことで、日本語の持つ繊細で美しく、情緒豊かな響きを再発見していただき、さらなる文芸活動の振興を図ることを目的に、「彦根市民文芸作品」を彦根市および近隣市町から広く募集しました。

 彦根市民文芸作品選者の審査を得て、この度入賞作品が決定しましたので、お知らせいたします。

 入賞者されました皆さま、誠におめでとうございます!

入賞者(敬称略)

  • 作者名は、雅号で掲載しております。
  • 一部表示できない漢字は、標準字体で掲載しております。
  • ホームページのシステム上、一部漢字変換できない語句があり、その語句についてはひらがなで掲載しております。
  • ホームページの都合上、横書きでの掲載となりますので、ご了承ください。
  • 詩、随筆・評論、小説の部門の作品については、タイトルのみの掲載となりますので、ご了承ください。

特選

俳句部門
作品 市町名 作者
端座して虚空見つむる雨蛙 日夏町 疋田 和子
百までは生きるつもりで青き踏む 鳥居本町 寺村 美惠
白波の尖る湖面や冴返る 大藪町 岩沢 青水

 

短歌部門
作品 市町名 作者
母の着し着物解きてリメイクし腕に抱かるるような温もり 甘呂町 日和田 喜美子
馬酔木咲く近江の寺の廻廊にあはゆき(しづ)るる音をききをり 西今町 松本 トシ子
廃校の正門前に佇ちておりさんざめく児童()らの声聞こえくるや 長浜市 小谷 敏夫

 

川柳部門
作品 市町名 作者
妻にある朝採り胡瓜ほどの棘 長浜市 野口 成人
合羽買う雨が虚ろにならぬよう 東近江市 知野見 松子
母さんは北風だってお茶を出す 八坂町 小野 椿

 

冠句部門
作品 市町名 作者
試みる 妻の寝込みて立つ(くりや) 蒲生郡竜王町 松瀬 文恵
ひかる湖 甍に似たり沖の波 長曽根南町 高 恵三郎
試みる 奉仕に生きるラストラン 蒲生郡竜王町 松瀬 竜子

 

詩部門
作品 市町名 作者
さくら 正法寺町 高井 豊
春の雪 東近江市 前川 利孝
アノネノネ 西今町 やまかみ まさよ

 

随筆・評論部門
作品 市町名 作者
お疲れさま 日夏町 田中 恵子

 

小説部門
作品 市町名 作者
該当なし

入選

俳句部門
作品 市町名 作者
城遥か農事励ます百千鳥 八坂町 飯島 潤
手袋に土黒々と菊根分け 大藪町 𠮷田 和治
控へ目も秘めたる強さ水仙花 東近江市 仲岸 有子
種芋のちから在る顔選び買う 長浜市 野口 成人
花の散る音なき音に季の移り 宇尾町 金森 光男
一滴の雨粒を抱く柿若葉 米原市 西尾 辰之
駄菓子屋のレジはそろばん鰯雲 平田町 北村 浩子
追伸のような日差しや春を待つ 西今町 前田 弘子
挑戦は生きる希望よ日々草 平田町 石田 そとゑ
許六忌や遺墨に触るる句座涼し 日夏町 寺村 澄子
だれかれの気づかいあふれ冬ぬくし 日夏町 林 正子
()()垣根()()しから回覧板() 長浜市 勝木 岩松

 

短歌部門
作品 市町名 作者
戦地の子無邪気に映るその刹那円空佛の数多にかわる 日夏町 石原 不二子
北アルプス共に登った登山杖今じゃ普通の杖になりけり 米原市 西尾 辰之
下校する乙女ら交わす十字路の別れの言の葉散らす木枯らし 芹橋二丁目 古池 陽彦
緑濃き欅の大樹風受けて手足のごとく上枝(ほつえ)動かす 中藪町 山川 美江
限りなき未来に挑む人間の技を忘るる今宵の満月 日夏町 寺村 享子
寒けしも部活の子らの白き息唸るバットに粉雪の舞う 大藪町 外村 輝夫

 

川柳部門
作品 市町名 作者
ばあちゃんのどこを押しても笑い声 八坂町 山本 はるか
ブギウギのリズムに乗って紅をさす 須越町 島田 洋子
一冊の絵本に母の声がある 正法寺町 高井 豊
安売りと書かれて青い林檎達 稲里町 覇流 不良者
キャベツ半分逞しくもりあがる 新海浜二丁目 森口 ゆめみ
寂しさを包んでくれた春日和 日夏町 浅井 利行

 

冠句部門
作品 市町名 作者
念を押す 医師の説明聞きながら 鳥居本町 寺村 美惠
ひかる湖 大志を胸に周航歌 田附町 大谷 みつ子
念を押す 老いの歩幅で弾む靴 金沢町 荒見 金一
試みる 違う自分になりたくて 稲部町 辻 昭子
念を押す 納得ゆくまで橋叩く 新海町 今堀 敏子

 

詩部門
作品 市町名 作者
畑の運動会 平田町 谷澤 正己
エキストラ 犬上郡豊郷町 藤田 始宏
雨夜のスタートレイル 近江八幡市 中尾 友貴

 

随筆・評論部門
作品 市町名 作者
栗二題 米原市 田中 繁男
折々に伊吹山 平田町 伊藤 眞雄

 

小説部門
作品 市町名 作者
桐の箱 米原市 ほりた 碧伊

佳作

佳作につきましては受賞者多数のため、別途掲載いたします『第60回(令和6年度)彦根市民文芸作品入選集』をご覧ください。

選者(敬称略)

選者(五十音順)
部門 選者 部門 選者
俳句 秋口 大門、北川 栄子、吉永 幸司 石内 秀典、尾崎 与里子、山本 英子
短歌 河分 武士、澤 絢子、宮本 照男 随筆・評論 今井 友子、藤本 弘子、山口 一
川柳 青木 十九郎、重森 恒雄、峯 裕見子 小説 井上 次雄、杉山 啓志
冠句 西村 吟雪、藤本 淡雪

審査

今年度の審査については、合同審査会は行わず、各部門の選者の先生方でご調整いただいたものを事務局が取りまとめを行う形で行いました。

「彦根市民文芸作品」表彰式、市民文芸講座、部門別研修会

表彰式の様子

表彰式の様子

令和6年7月6日(土曜日) ひこね市文化プラザエコーホールにて彦根市民文芸作品で特選を受賞された方を対象に表彰式を行いました。

表彰式の後、市民文芸講座、部門別研修会を開催いたしました。

文芸講座の様子

文芸講座の様子

文芸講座は、滋賀文学会会長、びわこ番傘川柳会会長でもいらっしゃる笠川 嘉一(かさがわ かいち)氏を講師にお迎えし、「古川柳(こせんりゅう)を楽しむ」と題し、お話をいただきました。

五七五音のリズムで人情を詠み、人や社会を風刺するユーモアあふれる川柳の世界をご紹介いただくとともに、江戸時代に確立された「古川柳」の解説をいただだきました。

川柳を歴史的な観点からも深く読み解く、貴重な講座となりました。

部門別研修会の様子

部門別研修会の様子

部門別研修会では、各部門に分かれ、選者の先生から作品に対する講評をいただいたほか、選者の先生と参加者とが作品創作に関する意見交換を行える交流の場として開催しました。

選者の先生からの講評では、今回の入賞作品の良かった点から創作のポイントを解説いただいたほか、普段の創作時に抱いていた疑問点等を直接話し合える機会になるなど、各部門とも有意義な時間となりました。

この記事に関するお問い合わせ先

観光文化戦略部 文化振興課

電話:0749-23-7810
ファックス:0749-21-3080

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