リプロダクティブ・ヘルス/ライツをご存じですか?

更新日:2024年03月26日

リプロダクティブ・ヘルス/ライツとは?

ウィー

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
性や子どもを産むこと、また自分の身体に関することすべてにおいて、身体的にも精神的にも社会的にも本人の意思が尊重され、自分自身で決められる権利のことで、「性と生殖に関する健康と権利」と訳されます。

この理念は女性の人権の重要な一つとして認識されています。
いつ何人子どもを産むか産まないかを選ぶ自由、安全で満足のいく性生活や安全な妊娠・出産、更年期、老年期などの生涯における女性の心と身体の健康を保証する考え方です。

 

リプロダクティブ・ヘルス※
妊娠したい人、妊娠したくない人、産む・産まないに興味も関心もない人、アセクシャルな人(無性愛、非性愛の人)問わず、心身ともに満たされ健康にいられること。

リプロダクティブ・ライツ※
産むか産まないか、いつ・何人子どもを持つかを自分で決める権利。
妊娠、出産、中絶について十分な情報を得られ、「生殖」に関するすべてのことを自分で決められる権利です。

※(引用)ジョイセフ「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)とは」

人口問題に対する、人権を基本としたアプローチ

世界の人口は2050年には97億人になると予想されています。これは1950年から100年の間に人口が72億人増加することになり、今後の世界の動向を考える上でも、また持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにも、人口問題について取り組んでいく必要があります。

1994年にカイロで開催された国際人口開発会議(ICPD)で、家族計画の必要性において、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(RHR)」(性と生殖に関する健康と権利)の概念が初めて定義されました。

そこでは、カップルと個人が安全で満ち足りた性生活を営むことができ、子どもを産むか産まないか、いつ産むか、何人産むかを決める「選択の自由」を持つとされました。つまり、人口を数として捉えるのではなく、人々の尊厳、女性の健康やエンパワーメントに焦点をあてる人権を基本としたアプローチに転換したのです。女性が自身の身体をコントロールできる選択の自由が無い社会では人権が保障されているとは言えません。

出生率は女性の選択の自由と密接に関連しています。例えば、避妊具(薬)や家族計画へのアクセスがないことによる望まない妊娠が女性の「選択の自由」を阻んでいます。

また、児童婚や女性性器切除(FGM)などの有害な慣習や、ジェンダーに基づく暴力(GBV)が女性と少女の意思決定を妨げ、尊厳を傷つけています。

例えば、世界平均では5人に1人、開発途上国では5人に2人の少女が18歳になる前に結婚しています。児童婚は望まない妊娠や、妊産婦死亡率の増加、暴力、虐待、搾取、教育の機会を奪われるといった人権侵害にも繋がります。先進国でもジェンダー不平等や、安価で質の高い保育ケアを享受できないという状況があります。これは、家庭と仕事の両立が難しくなり子どもを産みたい女性が子どもを産めない、または希望する子どもの人数よりも少なく産むということに繋がっています。

出生率は国や地域により大きな差があり多様化していますが、どの地域にも共通しているのは、すべての人々がリプロダクティブ・ライツを享受していると言い切れる国は、日本も含めどこにもないということです。

(出典)「ODA(政府開発援助)メールマガジン第401号」外務省ホームページ

国の取組み

内閣府の男女共同参画基本計画においても基本的方向として「リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する意識を広く社会に浸透させ、女性の生涯を通じた健康を支援するための取組の重要性についての認識を高めるという観点から、これらの問題について男女が共に高い関心を持ち、正しい知識・情報を得、認識を深めるための施策を推進する。」とされています。

こうしたリプロダクティブ・ヘルス/ライツの視点から女性の生涯を通じた健康を支援するための総合的な対策の推進を図ることが必要です。

パネル

リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する国の施策については、内閣府男女共同参画局HP(外部サイト)から確認できます。

彦根市の取組み

彦根市では、彦根市男女共同参画計画「ひこねかがやきプラン3」中、
基本目標3「尊重し認め合う男女共同参画」
基本施策3「男女の心と身体の健康に気づくための取組」
において、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツの普及」を具体的施策に掲げています。

女性の健康

「女性の健康課題」をテーマに、啓発誌「ひこねかがやきプラン3通信」第4号を発行しました。ぜひ家庭や地域、職場などそれぞれの場での参考にしていただければ幸いです。

私たちにできること

虹

誰もが、健康でいきいきと暮らしていくためには、男女の身体的性差を十分に理解し、互いに思いやりを持って接することが大切です。

まずはリプロダクティブ・ヘルス/ライツの概念を理解し、「自分のからだは自分で守ること」から実践していきましょう。そして、あなたの家族、パートナー、友人にもその大切さを伝えていきましょう。

この記事に関するお問い合わせ先

企画振興部 企画課 女性活躍推進室

電話:0749-30-6101
ファックス:0749-22-1398

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