人権教育の指針

更新日:2026年06月12日

HP番号: 10767

令和8年4月

2026年は、「障害者差別解消法」「ヘイトスピーチ解消法」、そして「部落差別解消推進法」の施行から10年の節目の年である。しかし、施行後もインターネット上では、匿名性を悪用した偏見や誹謗中傷が行われ、差別を助長する行為が後を絶たない。また、国内ではSNS上の人権侵害や性の多様性・子どもの権利等に関する理解不足に起因した新たな人権課題が顕在化している。さらに、世界では戦争や紛争が続き、多くの尊い命が失われ、平和や安全への不安が拭えない状況が続いている。

私たちは、これらの課題を自らの問題として受け止め、人権に関する理解と認識を深め、差別のない社会の実現に向けて、学校、家庭、地域、職場など、あらゆる場での人権教育の推進や日常的な取組を充実させることが求められている。

本市では、令和6年4月に「彦根市人権施策基本方針」を改定した。人権が尊重されるまち彦根の実現のためには、市民一人ひとりが人権の意義や価値について理解を深め、すべての人の人権を尊重する態度を身につけ、実践することが重要である。

そこで、本市は「彦根市人権施策基本方針」や「滋賀県子ども基本条例」、滋賀県教育委員会「人権教育推進プラン改訂版」などをふまえ、令和8年度に本市の「人権教育の指針」を策定する。地域社会、家庭、職場、学校などあらゆる場や機会を活用し、本市における人権教育の推進と取組の一層の充実を図る。

目標

国内外ならびに本市における人権問題の現状と課題を踏まえ、市民が人権尊重の理念を理解し、体得することを目的として、これまで人権・同和教育が積み上げてきた取組の成果や手法への評価を活かした教育・啓発活動を積極的に展開する。特に部落差別をはじめ、女性、子ども、高齢者、障がい者、外国人等に関わる人権問題に加え、感染症や性的マイノリティ、インターネット上の人権侵害、ヤングケアラーを取り巻く課題など、新たな人権問題についても、法の下の平等や個人の尊重等といった基本理念を踏まえ、それぞれの固有の問題を個別的な視点から十分に見極める。また、普遍的な視点からも取組を進め、これらの問題を相互に関連づけながら解決を図る。また、「部落差別解消推進法」、「改正障害者差別解消法」、「こども基本法」等の趣旨を踏まえ、差別のない社会の実現に向けて教育・啓発活動の一層の充実を図る。

幼稚園・こども園・保育園(所)における取組は、乳幼児の発達段階に応じて、家庭と幼稚園・こども園・保育園(所)等の連携を図りながら、日常生活における基礎的な事項を身につけさせるとともに、遊びや仲間との活動を通して豊かな感性、命の大切さや相手を思う気持ちを育てる。

学校における取組は、児童・生徒の人権意識の高揚を図るため、個々の自尊感情を高めるとともに、他者を尊重し、お互いの人格を認め合う自立と共生の意識を深めさせる。また、感性を磨き、差別やいじめの不合理性についての理解を深めさせるとともに、人間性豊かな人格の形成と実践的な態度を育成し、社会へ主体的に参画する市民としての素地を確立するため、人権教育を全教育活動の中に明確に位置づけて実施する。

地域社会における取組は、市民があらゆる差別の不合理性や人権確立への歩みを学び、家庭や地域の生活課題との関連を明らかにしながら、心豊かでお互いの人権が認め合える地域社会の形成をめざす学習を積極的に実施する。とりわけ、差別の現実に立ち、人間の尊厳への自覚、自己実現への意欲および共生社会への連帯意識を高めることを基本に、心の通いあうまちづくりを推進する。なお、人権問題の中心に部落差別問題を据え、地域総合センターおよび広野教育集会所を拠点とし、積極的に心理的差別の解消およびその解決を目指して主体的にかかわる実践的態度の育成に努める。

学校・園における取組

人権教育を学校・園の全教育活動に明確に位置づけ、幼稚園、こども園、保育園(所)、小・中学校の緊密な連携のもと、幼児・児童・生徒の発達段階に即して、人間形成の基礎を培うとともに、人権問題についての正しい理解と認識を培う。また、系統性・発展性のある総合的な人権学習を構築し、人権尊重の実践的態度を育成する教育活動の充実を図る。

  1. 生涯にわたる人間形成の基礎を培う乳幼児期の教育・保育の重要性を踏まえ、家庭や地域等との連携を図りつつ、自然や人と触れ合いを通じて命を大切にする心や相手を思いやる気持ちを育む取組を充実させ、豊かな人間関係の基礎となる信頼関係を築く。
  2. 児童・生徒の人間形成における学校の役割を十分に認識し、部落差別をはじめとする人権問題についての正しい理解と認識を深める。また、一人ひとりの自尊感情を育む取組を進め、差別やいじめをしない、許さない心情を育てるとともに、人権意識を高め、人権尊重の精神を実践的態度に高めるための取組をさらに充実させる。特に、部落差別問題に関する学習については、児童・生徒の心に響き、生き方に迫る学びとなるよう点検と見直しを行い、研究に努める。
  3. 重い課題を抱える幼児・児童・生徒の一人ひとりに応じた生活支援と学力向上を目指し、適正な進路指導を進める。また、一人ひとりの自己実現を支援するために、家庭や関係機関との連携を強化し、支援体制の充実を図る。
  4. 幼稚園、こども園、保育園(所)、小・中学校、高等学校の一層の連携を図り、系統性かつ発展性のある総合的な人権学習を構築する。また、地域や関係機関と連携・協力し、実態や課題に即した学習を展開する。
  5. 教職員は、あらゆる機会を利用して、部落差別をはじめとする人権問題の正しい理解と認識を深める。特に、校園内教職員研修については、新たな人権問題に関する学習を取り入れるとともに、現地研修や参加型学習等など、多様な形態を工夫して、研修の効果を高める。これにより、教職員一人ひとりが人権尊重の理念を確実に深めることができるようにする。また、校園内組織づくりでは、日々の取組を通じて、互いの人権感覚を磨き合い、同僚性を持った質の高い教職員集団の構築を一層進める。
  6. 人権教育の円滑な推進のために、実践上の課題を明確にし、効果的な指導方法や内容の研究、ならびに教材の開発を進める。
  7. 学校・園の取組をさらに充実させるため、地域総合センターおよび広野教育集会所との積極的な連携を図る。

地域社会および家庭における取組

人間の尊厳を認め合い、豊かで民主的な地域社会の形成を目指すため、家庭や地域の生活課題の解決につながる人権学習の重要性を認識する。自主的・自発的な学習活動や各種社会活動を通じて、部落差別をはじめとするあらゆる人権問題についての正しい理解と認識を深め、人権意識の高揚を基盤に、すべての人の人権が尊重される共生社会の実現に努める。

  1. 人権・福祉の交流拠点として、地域総合センターおよび広野教育集会所との連携を強化し、人権教育・啓発活動を進める。
  2. 公民館などの社会教育施設では、部落差別をはじめとするあらゆる人権問題について計画的かつ継続的な学習を進め、生活や地域に根ざした人権学習を展開する。
  3. 社会教育関係団体の活動の基盤に人権問題、特に部落差別の解決への取組を位置づけ、解決につながる自主的な活動を推進する。家庭、地域、学校・園が密接に連携し、地域全体で人権意識と連帯感の高揚を図る。
  4. 社会教育関係団体では、人権教育を推進するため、指導者の育成をはじめとして指導体制の充実を図る。
  5. 家庭では、子ども一人ひとりをかけがえのない存在として尊重し、個性を活かしながら、他人への思いやりや命・人権を大切にする豊かな心を育む家庭づくりに努める。

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 学校支援・人権・いじめ対策課

電話:0749-24-7978
ファックス:0749-23-9190

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