子どもと本をたのしもう どうして読み聞かせを続けるの?

更新日:2019年08月30日

 「絵本をよく読み聞かせたのに、小学生になっても、なかなか本を読めるようになりません。どうしたらよいのでしょうか。」

 こんな声をよく聞きます。字を読めるようになれば、すぐに本を読めるのでしょうか。

1 文字は読めても言葉の意味は?

 字が読めるからと言って、すぐに文字ばかりの本が読めるようになるとは限りません。本を読むためには、次のような段階が必要です。

  1. 活字を読む
  2. 文字のまとまりから意味をつかむ
  3. 頭の中で映像化する
  4. 登場人物の気持ちになり物語を味わう

 子どもたちは、幼い頃からテレビ・ビデオ・ゲームなどの映像に囲まれて成長しています。そのためか、言葉だけで想像をふくらませることが苦手な子どもが増えてきているようです。文字から意味を理解し、映像が思い浮かべられるようになるまで、周囲の大人が生の声で読み聞かせを続けることが大切です。絵本だけでなく物語も大人が読んであげましょう。

円になり大人が子供たちに絵本の読み聞かせをしているイラスト

2 読み聞かせでつく力

 自分で本を読んでいると、意味がわからない言葉をとばして読んでしまいます。しかし、読んでもらうと、読み手に聞くことができるので、言葉の意味がわかり、内容を楽しむことができます。

 また、子どもはおはなしを耳で聞いてイメージし、流れの中から展開を推測したり考えたりしていくわけですから、想像力・集中力・思考力・記憶力・言葉の力などを身につけることができます。読み聞かせを続けることで、これらの力を少しずつ身につけていきます。

 このようにして身につけた力は、学校・家庭・社会生活すべてに関わる「生きる力」の基礎となるでしょう。だから、字を読めるようになった時期こそ、物語の読み聞かせをすることが大切なのです。

 活字ばかりの本を読んでもらって面白いことがわかれば、自然と自分で読みたいという気持ちも生まれてきます。

男の子と女の子が座って本を読んでいるイラスト

3 親子でほっと一息 安心タイム

 文字を覚えた小学校に入り立ての頃は、「しっかり学力を身につけさせなければ。」と親も緊張し、力んでしまいます。ついつい「宿題はできたの?」「明日の用意をしなさい。」といった言葉が多くなりがちです。家事や仕事で忙しい日々を過ごしていると、子どもとのふれあいや会話の時間は、さらに削られてしまい、関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。

 そのようなときこそ、親子で、現実と少し離れた面白いお話を楽しみましょう。読み聞かせを通して、温かいふれあいの時間を共有することができます。親子ともに、穏やかで温かい気持ちになり安心感に満ちあふれます。共有した時間は、成長しても親子の思い出としてしっかり残ります。このような愛情に包まれる経験は、子どものその後の人生にとって、大きな心の支えとなるはずです。

お母さんと子供が一緒に本を手に取り読んでいるイラスト

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