彦根仏壇物語

更新日:2019年08月30日

城下町根付いた、彦根仏壇の基盤

 彦根仏壇の起源は、遠く徳川時代中期とされ、武具、武器の製作にたずさわって塗師、指物師、錺金具師などが平和産業としての仏壇製造に転向したのが始まりと言われています。キリシタン宗門の禁止政策の強行、庶民生活の向上、庶民仏教の浸透および彦根藩主の庇護のもとに、問屋制家内工業の形態とこれにともなう分業組織を完成し、彦根の城下町と中山道とを結ぶ重要点である通称「七曲がり」で発展の基盤が整備されました。

職人たちが磨きぬいた、伝統工芸と伝承の技と心

 明治維新による混乱期や、第一次、二次大戦などの影響など多くの制約を受けましたが、戦後、彦根仏壇同業組合が結成され、検査制度を設けるなど品質の向上に努め、生産は順調に推移しました。その生産地域も彦根市全域に広がり、彦根の地場産業の一つとして大きく躍進し、現在に至っています。
 昭和49年5月に「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」が施行され、伝統的工芸品の指定を受けるため、同年11月に協同組合を設立し、昭和50年4月に通産大臣から指定(業界初)を受けました。

仏壇のできるまで 工部七職・匠の技

1 木地(きじ)

厳選された木材で仏壇の本体を作ります。
仏壇作りの最初であり大切な仕事です。

木材で仏壇の本体を作っている写真

2 宮殿(くうでん)

こまかい部品を手仕事で作り、各々組み立て式に屋根を作ります。

手仕事で部品を組み立てている写真

3 彫刻(ちょうこく)

図柄を選定し、檜・松などの木材に、のみ・小刀を使用して手彫りします。

のみ・小刀を使用して木材を手彫りしている写真

4 漆塗(うるしぬり)

白木地に下地加工をし、数回うるしで中塗りした後、天然精製うるしを上塗りします。

漆塗をしている写真

5 金箔押(きんぱくおし)

箔押しうるしをのばし、ふきあげた後、金箔を一枚ずつ張り付けます。

金箔を一枚ずつ張り付けている写真

6 錺金具(かざりかなぐ)

銅、真鍮板にタガネを使用して手彫りをし、メッキ、色付け加工をして仕上げます。

メッキ、色付け加工をしている写真

7 蒔絵(まきえ)

艶色加工した上にうるしなどで下絵を描き、その上に金粉、銀粉、貝などを蒔き、さらに加筆または研き出します。

うるしなどで下絵を描き、金粉、銀粉、貝などを蒔き、加筆または研き出ししている写真

8 組立(くみたて)

各工程の完了した部品を一か所に集め、総合的に最終組立をします。(工部七職には含まれませんが、重要な工程です)

金箔部分の部品を組立ている写真
仏壇の窓の組み立てをしている写真

以上「彦根物語」、業界リーフレット「彦根仏壇」から

彦根仏壇事業協同組合

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彦根市中央町3番8号 彦根商工会議所3階
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ファックス 0749-26-0559

近畿の伝統的工芸品

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