植物

 今回の調査で1000種以上の植物が確認できました。この中には、次のような植物が含まれます。

 オシダ、クサソテツ、レンプクソウ、オヒョウ、ヤナギトラノオ、カラコギカエデなど。これらの中で、ヤナギトラノオ、カラコギカエデは、低湿地に生息し、氷河期の遺存種と考えられる。また、クサソテツ、レンプクソウは、本来山地に生息する種であるが、市内では河畔林に生息し、植物学上興味深い。

 イノデ、クルマシダ、オオベニシダ、アオキ、ヒサカキ、オオイタビ、アカメガシワなど。彦根市内に生息する多くの植物がこれに含まれる。クルマシダやオオイタビは今回の調査によって、滋賀県では初めて確認された。

 コタニワタリ、サカゲイノデ、オオタチツボスミレ、ホクリクネコノメ、タイミンガサ、チマキザサ、ハイヌガヤ、チャボガヤ、エゾアジサイ、タニウツギ、タムシバなど。このうちタイミンガサは鈴鹿山脈では産地が限られている。今回の調査では、武奈で確認された。

 ナガバノスミレサイシン、クロモジなど。彦根市内では、日本海側の植物に比べて太平洋側の植物は少ない。

 タキミチャルメルソウ。鈴鹿、伊吹山地のみに生息する植物で、環境庁（環境省）のレッドリストにも指定されている。

 クモノスシダ、ヒメフウロなど。東部の石灰岩地に多く見られる。

 ハマゴウ、ハマエンドウ、タチスズシロソウ。これらは、いずれも県のレッドリストに指定されている。

 アレチモウズイカ、アレチハナガサ、ヒゲナガスズメノチャヒキ、ヒルザキツキミソウ、アメリカフウロなど。特に新海浜付近では、多くの帰化植物が確認された。

 今回、彦根市内では次項に示す貴重植物（全国・近畿地方・滋賀県のレッドリスト）が確認された。