農業所得の申告
農業所得の収入と経費
農業所得の申告には収支内訳書の作成が必要です
帳簿や領収書をもとに、収入・必要経費を記載する必要があります。
収入金額となる主なもの
- 米、野菜などの農産物の販売金額
- 農作物の家事消費分
- 雑収入(補助金・共済金など)
必要経費となる主なもの
- 雇人費・小作料
- 減価償却費(農業用建物・農機具・農業用車両などの減価償却費)
- 租税公課費(農業用資産の固定資産税・水利費など)
- 農具費(取得価格が10万円未満または使用可能期間が1年未満の農機具)
- 種苗費・肥料費・飼料費・農薬衛生費・諸材料費
- 修繕費・動力光熱費
- 農業共済費・土地改良費
減価償却費の計算
農業用の倉庫、車両、農機具等の購入費用(10万円以上のもの)については、購入した費用金額を購入した年分の必要経費とすることができないため、資産ごとに定められた耐用年数により数年にわたり必要経費とすることになります。
- 平成19年4月1日以後に取得したもの
各年の償却費=(取得価格)×(償却率)×(使用月数/12か月)×農業使用割合(%)
(注意)平成19年4月1日以後に取得する減価償却資産については、償却可能限度額(取得価格の95%相当額)及び残存価格が廃止され、耐用年数経過時点に1円まで償却できます。
(参考)
- 平成19年3月31日以前に取得したもの
各年の償却費=(取得価格×90%)×(償却率)×(使用月数/12か月)×農業使用割合(%)
(注意)平成19年3月31日以前に取得したものについては、償却可能限度額まで償却した事業年度以後5年間で1円まで均等償却ができます。
主な減価償却資産の耐用年数表
| 資産名称 | 耐用年数 | 償却率 |
|---|---|---|
| 軽トラック | 4年 | 0.25 |
| トラクター | 7年 | 0.143 |
| コンバイン | 7年 | 0.143 |
| 田植機 | 7年 | 0.143 |
| 耕運機 | 7年 | 0.143 |
| 乾燥機 | 7年 | 0.143 |
| もみすり機 | 7年 | 0.143 |
(注意)上表の耐用年数は平成21年分から適用されてます。また、償却率については平成19年4月1日以後取得分の新定額法に基づいています。旧定額法を用いる場合、表の内容とは異なりますのでご注意ください。
よくある問い合わせ(農業所得)
農地を有償で貸している場合の収入(小作料)の申告は必要ですか?
農地の賃貸による収入は不動産所得になりますので、不動産所得用の収支内訳書の作成が必要です。小作料を農作物でもらっている場合は、買取り価格などを参考に現金に換算してください。
自らが小作料を支払って農業をしている場合は、農業所得の必要経費になります。
農業所得のマイナスを他の所得から差し引くことはできますか?
可能です。
農業所得の雑収入に含める収入は何がありますか?
農業に関する補助金や補てん金、農産物に対する共済金などが該当します。
中古の農業用機械を購入した場合の耐用年数はどうなりますか?
中古の減価償却資産を取得した場合、法定耐用年数ではなく、使用可能期間として見積もられる年数とすることとなります。しかし、見積もりができない場合は、以下の表で計算した年数とすることができます。
| 経過年数 | 計算式 |
|---|---|
| 耐用年数を一部経過した中古資産 | (法定耐用年数-経過年数)+(経過年数×20/100) |
| 耐用年数を経過した中古資産 | 法定耐用年数×20/100(切り捨て) |
(注意)計算結果の1年未満の端数を切り捨て、2年未満となった場合には耐用年数を2年とします。
国民健康保険料や国民年金保険料を納めていますが、経費として租税公課に含めてよいですか?
農業所得申告の必要経費となる租税公課は、農業用資産の固定資産税・都市計画税、自動車税、水利費、農協組合費など農業に関わるものです。このため、国民健康保険料や国民年金保険料は農業の経費ではなく社会保険料控除として申告してください。
土地改良費の経費計上の仕方を教えてください
1000平方メートル(10アール)あたり1万円未満の場合、全額経費に計上してください。1000平方メートル(10アール)あたり1万円以上の場合、支払額を全額経費とすることができません。永久資産取得費相当について土地改良区に確認し、それを差し引いて計上してください。
なお、土地改良区から請求される賦課金には、水利費が含まれています。水利費については、全額経費となりますので土地改良費と分けて計上してください。




更新日:2025年12月10日