農地転用の固定資産税への影響
農地転用の届出の受理、または申請の許可がされると、現地の利用状況は農地(田畑)であっても、その土地は固定資産税の課税地目としての農地ではなくなります。
そのため、評価の方法や課税標準の特例の適用の有無が変更され、評価および税額に影響があります。
市街化区域内の農地
現在、市街化区域内の農地の課税計算は、「市街化区域内農地の特例措置」により、評価額の3分の1を課税標準額とし、税負担が軽減されていますが、農地転用の届出が受理されると、造成等の工事に着手していなくても、その土地は課税地目としての農地ではなくなるため、特例の適用から除外されます。
(例)市街化区域内の田を農地転用し、造成は未着手の場合の固定資産税額
平方メートル単価:1平方メートルあたり8,000円
【宅地比準評価】
地積:1000平方メートル
評価額:800万円
田としての税額は
800万円(評価額)×3分の1(特例措置)×1.4%(税率)=37,300円(税額)
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令和2年12月農地転用届 受理
令和3年1月1日現在 未造成
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平方メートル単価:1平方メートルあたり8,000円
【宅地比準評価】
地積:1000平方メートル
評価額:800万円
農地転用により農地としての課税ではなくなるため、特例の適用対象外となります。
800万円(評価額)×0.7(負担調整措置)×1.4%(税率)=78,400円(税額)
- 別途「都市計画税」が課税されます。
- 実際の課税計算は「負担調整措置」の適用により異なることがあります。
市街化調整区域内の農地
市街化調整区域内の農地の評価は、付近の標準的な農地の価格から比準して計算していますが、農地転用の申請が許可されると、造成等の工事に着手していなくても、その土地は課税地目としての農地ではなくなるため、付近の標準的な宅地から比準して評価額を計算することになり、税額が上がります。
(例)市街化調整区域内の田を農地転用し、造成は未着手の場合の固定資産税額
1000平方メートル単価:1000平方メートルあたり10万円
【農地比準評価】
地積:1000平方メートル
評価額:10万円
10万円(評価額)×1.4%(税率)=1,400円(税額)
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令和2年12月農地転用 許可
令和3年1月1日現在 未造成
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平方メートル単価:1平方メートルあたり6,000円
【宅地比準評価】
農地転用により宅地比準評価となります。
地積:1000平方メートル
評価額:600万円
600万円(評価額)×0.7(負担調整措置)×1.4%(税率)=58,800円(税額)
- 実際の課税計算は「負担調整措置」の適用により異なることがあります。




更新日:2025年12月10日