帯状疱疹について
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスに初感染(いわゆる『水ぼうそう』)後、生涯にわたって神経に潜伏感染しているウイルスが、加齢、疲労、免疫抑制状態などの宿主の免疫力低下によって再活性化して発症します。
成人の水痘帯状疱疹ウイルス に対する抗体保有率は 90%以上であり、成人のほとんどが既に感染しており、帯状疱疹の発症リスクを有しています。また、85 歳の人の約半数が帯状疱疹を経験していると報告されており、80 歳までに3 人に1人が帯状疱疹を経験すると推定されています。
症状
主な症状は、ウイルスが感染した神経が支配する領域の皮膚に、疼痛と水疱(水ぶくれ)を伴う赤い発疹が現れます。合併症として、皮膚病変が治癒した後に疼痛が残存し、数か月から数年持続する「帯状疱疹後神経痛」等があります。帯状疱疹患者のうち20%程度が帯状疱疹後神経痛を発症し、高齢になるほど罹患率が高いとされています。その他、ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺など)や眼合併症(角膜炎など)、髄膜炎、脳炎、 血管炎、脳梗塞などさまざまな合併症が存在します。
治療
帯状疱疹の患者では、抗ウイルス薬の投与により、ウイルス排出期間の短縮、新規皮膚病変の出現抑制、皮膚病変の治癒の促進効果、疼痛期間の短縮と重症度の低減効果、帯状疱疹後神経痛の発症頻度を減少させる効果が認められます。抗ウイルス薬は皮疹出現後 3 日以内に投与がなされることが望ましく、 遅くとも 5 日以内に投与を開始します。帯状疱疹後神経痛は知覚神経の損傷によることから、より早期に抗ウイル ス薬投与を開始することが 帯状疱疹後神経痛を予防するためにも重要です。
予防するために
帯状疱疹の発症には、免疫機能の低下が関係していることが知られています。加齢や疲労、ストレスなどによって免疫機能が低下すると、潜伏していた水痘帯状疱疹ウイルスが再び活性化しやすくなります。また、健康な高齢者でも、加齢により免疫機能が低下していると考えられます。栄養バランスのとれた食事や質の良い睡眠、適度な運動など、日頃から免疫機能の維持を心がけ、規則正しい生活を送りましょう。
帯状疱疹の予防接種について
帯状疱疹ワクチンは、予防接種法に基づき公費負担される定期接種ではなく、任意接種のため、接種料金は全額自己負担となります。彦根市では助成事業を行っておりません。
予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。また接種ができない人、接種に際し、注意を要する人もいますので、接種をご希望される方は、帯状疱疹ワクチンの取り扱いの有無や受診方法、接種費用等について、各医療機関に直接お問い合わせください。
現在、2種類のワクチンがあります。
乾燥弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」 |
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン 「シングリックス筋注用」 |
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接種対象者 | 50歳以上の者 |
50歳以上の者または 帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の者 |
予防効果 |
接種後1年62.0% 接種後5年43.1% |
接種後1年97.7% 接種後10年73.2% |
接種回数 | 1回 | 2回 |
接種料金 | 1回8,000円程度(医療機関によって異なります。) | 1回20,000円以上、2回では40,000円以上(医療機関によって異なります。) |
帯状疱疹ワクチンについて(第21回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会ワクチン評価に関する小委員会)
更新日:2024年09月02日