入浴中の急病事故の実態と予防

更新日:2019年10月12日

私たちは、お風呂に入ることで身体の清潔をたもったり、その他血液循環を促進し新陳代謝を高めたりします。また、浮力作用により筋肉の緊張を緩和し、運動機能低下予防や回復促進という効果があります。さらに入浴することによって、開放感や爽快感がえられ、闘病意欲が高まることも考えられ、病気を持った方にも一つの楽しみです。
しかし近年、中壮年から高齢者の入浴中の死亡事故が急増し、年間1万人を超すと推定されています。特に高齢者での発生が多く、高齢者の入浴中の事故、病態を「高齢者入浴中突然死症候群」と呼ぶことが提唱されています。高齢者入浴中突然死症候群には次のような特徴があります。

  • 65歳以上の高齢者に発生し、特に75歳以上の後期高齢者に頻発する。男女差は特になく、気温の低い冬に集中的に発生しやすい。
  • 42度以上の高温浴に長湯する場合に生じやすく、それは入浴行為に伴う急激な血圧変動と発汗により、また循環調整機能や体液調整機能の破綻により生じる循環器系疾患や脳虚血による場合が多いとされています。
  • 特に欧米式のシャワーによる洗体よりも、日本式の肩まで浴槽に入る入浴法で生じやすいとされています。
  • 高齢者入浴中突然死症候群は脱衣場と浴室との極端な温度差のある住宅構造や、深い浴室を特徴とする日本式浴室で生じており建築災害としての側面もあります。

つまり入浴実施時のポイントは

  1. 体の調子の悪い時には入浴を控える。
  2. 高温での入浴は避ける(できたら40度ぐらいにする)また長湯をしない。
  3. 脱衣場や浴室の暖房に注意する。
  4. 身体の不自由な人や高齢者の入浴時はプライバシーに配慮しながら周りの者が十分注意する。また、浴室の鍵はかけず、代わりに入り口に入浴中の表示をするようにする。
  5. 湯冷めしないように十分に水分・汗をふき取り、休養のためにも1時間程度は安静臥床にする。

以上のことを守り、安全で気持ちよい入浴をしましょう。

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