高齢者の転倒予防

更新日:2019年10月12日

人はなぜ、年をとると転ぶのでしょうか。
転倒された状況を聞くと、「足がもつれた」とか「ちょっとした段差につまずいた」などと話される方がほとんどです。そして「若いころはこんなことはなかったのに」と付け加えられます。
お年寄りの方はよく、「転んでケガをしてから急に体が弱ってしまった」と言います。この話からは、転倒したことが原因になってケガが起こり、その結果、体が弱って寝たきりになってしまう、と考えがちです。しかし、実は転倒は原因ではなく、結果なのです。
つまり、”転倒するほど体が弱っていた”と考えるのが正しいのです。体の年齢的な衰えが少しずつ進行している上に、動脈硬化(どうみゃくこうか)などの隠れた形の病気が拍車をかけ、そこに運動不足が加わって、いつの間にか2本の足で体を支えることができないほど体が弱った結果、人は転ぶのです。
ですから、転倒の原因である「体全体の衰え」を少しでも予防すれば、転倒も予防できるものと思われます。

転倒予防のポイントは

  1. 日ごろからこまめに体を動かして、「健脚度(けんきゃくど)」(注釈1)を上げること。
  2. 食生活に気をつけて、肥満(ひまん)や動脈硬化(どうみゃくこうか)など隠れた形で進行する病気にならないように注意すること。
  3. 1日に1回はストレッチを行い、硬くなった筋肉をやわらかくし、転びかけた時にスムーズに立ち直りの動作ができるようにすること。

歩き方のポイントは

目線(めせん)は足下ではなく、やや遠くにおき、踵(かかと)から着地してつま先でしっかりと地面をけるようにします。こうすることで、つまずく機会はずっと減ります。

(注釈1)「健脚度」 3つの能力を簡単に評価する方法として考え出されました。

  1.  10メートル全力歩行時の所要時間(70歳平均で5.1秒)
  2.  最大-歩幅(脚の長さで割った値が70歳平均で135)
  3.  40センチ踏み台昇降ができない人

何歳になっても転倒とは無縁で、自分の行きたいところに行ける、健やかな老後を目指したいものです。

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