<総 評>
文章を綴っていると、確かに「あれも書きたい、これも書きたい」という思いになってしまう。けれども、推敲を重ねているうちに、自分が抱いている思いや感動の正体が少しずつはっきりしてくる。推敲を重ねることで、内容の無駄が省かれ、同時に誤字や不自然な文章の言い回しも正されてゆく。推敲という作業は、読み手に対して、自分の思いや感動をより的確に伝えるために、欠かすことの出来ない作業である。苦しいけれども、この作業をおろそかにすることはできない。今年の応募作品についても、もう少し推敲が重ねられてあれば、さらにレベルアップしたであろうと思われる作品が少なくなかった。
「書く」ことによって、いつまでも自分を、社会を、自然をしっかり見つめる生き方が出来る。応募作品数が毎年少しずつ減少しているが、新しい書き手の登場はもちろん、これまでの書き手も、もう一度「彦根市民文芸作品」の場へ集っていただきたいものである。
(中島 伸男)
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