1秒でも早く救える命を救うためにー10月から始まる#7119(2025年8月号掲載)

突然のけがや急な体調不良。そんな「もしも」のとき、私たちが真っ先に思い浮かべるのが「119番」への電話です。
しかしながら、救急の出動件数が年々増加する中、緊急性のない通報も一定数存在し、 急行すべき救急業務に影響を与えていることが社会問題となっています。彦根もその例外ではありません。
今回の特集では、救える命を救うための消防の取組を紹介します。

119番通報から病院到着まで~救急の流れ~

- 通報の受付、情報の聞き取り
「どこで?何が?誰が?どうした?」など情報を詳しく聞き取ります。時には応急処置の指示をすることも。
↓(通報と同時に出動指令) - 救急車が出動!
通報内容をもとに、最寄りの消防署などから救急車が現場へ急行します。
↓ - 現場で観察・処置
現場到着後すぐに傷病者の情報を確認し、電気ショック、酸素投与、止血などの応急処置を行います。
↓ - 適切な処置・病院の選定
救急車内でも処置を続けながら、選定した病院へ向かいます。
↓ - 病院到着
救急は新たなステージへ。2025年10月、#7119が滋賀県内で運用開始
身体に異変があった際、119番通報をするか迷ったことはないでしょうか。
「この程度で救急車を呼んでもいいのかな?」「休日で病院が空いていないけど、明日で大丈夫かな?」そんな悩みを解決するダイヤルが救急安心センター事業、#7119です。
携帯電話や固定電話から#7119に発信すると看護師など専門知識のある者に繋がり、助言を求めることができます。
【令和7年10月1日開始予定】滋賀の救急電話相談(♯7119)について/滋賀県(別ウインドウで開く)
どんなときに#7119にかけるの??
緊急性がある!・・・すぐに119です!
- 顔にゆがみがある
- 痙攣が止まらない
- 呼吸が苦しい
- 激しい胸の痛み など
緊急性があるかわからない・・・まずは#7119にかけてみよう
- 体調不良で明日の朝まで待てるか不安
- どこの病院に行くべきか迷う
- 指先を切った(軽傷)など
もっと知ろう!
- いつ電話してもいいの?
#7119は24時間365日対応し、無料で相談できます。ただし、通話料は利用者負担です。 - #7119に電話をしたけどつながらない
回線が込み合っている可能性が高いです。しばらくたってから掛け直すか、緊急を要する場合は、119番に通報してください。 - #7119へかけたけど、緊急性が高い症状だった場合はどうなる?
状況に応じて119番または該当する消防本部へ電話が転送されます。 - 今受診できる医療機関を教えてくれる?
看護師が医療機関を案内します。ただし、受診する前には、必ず事前に医療機関に受診できるかどうか確認してください。 - 多言語対応できるの?
英語・中国語(北京語)・韓国語・タイ語・ベトナム語・ポルトガル語の6か国語を含む22か国語に対応しています。 - #7119は子どもも対象なの?
#7119は、全年齢が対象です。
現場の声
命を救うために、#7119の活用を

消防本部通信指令課
松岡 理さん
「病院へ行くか、救急車を呼ぶか。迷ったときに医療の専門知識を持った人に相談できるダイヤルがあるのは、市民の安心につながるはず。」そう話すのは、119番通報の受付を行う松岡さんです。
「救急車の数には限りがあるため、通報時に全車両が出動していると到着が遅れ、最悪の場合、本来救えた命が救えなくなることもありえます。緊急性のない通報が減ることは、命を救うことに繋がります。」
そう話す一方、危険を感じたときは迷わず通報してほしいとのこと。「緊急性の高い傷病者に、一刻も早く救急車両を向かわせる。私たちはそのために全力を尽くします。」
常に最善を尽くす

消防署本署第2部主任(救急)
村中 優輝さん
阪神淡路大震災で被災し、命を救われた経験から消防士になることを決意された村中さんは、現在、救急救命士として現場に駆け付けます。心肺の停止した子どもの蘇生や、救急車が進入できない雪山での長時間に及ぶ活動など、これまでにさまざま現場を経験したという村中さん。
精神的にも、身体的にも過酷な救急活動を続ける心の支えとなっているのは、助けることができた方からのメッセージだとか。村中さんのデスクには、救急搬送ののち無事退院された患者さんから届いたという、感謝を綴つづった手紙が飾られていました。
「救えた方もいれば、救えなかった命もあります。しかし、どのような状況でも患者さんの気持ちに寄り添い、最善を尽くすことを大切にしています。」
救急隊からのお知らせ
YouTubeで「心肺蘇生法」「正しい119番通報」などの動画をわかりやすく紹介しています。ぜひ一度見てみてください!
彦根市消防本部公式YouTubeチャンネル(別ウインドウで開く)

更新日:2025年10月01日