世界遺産へ!彦根城が示す、江戸時代の政治のカタチ(2026年1月号掲載)
「世界遺産に登録されるのは天守だけ?」「結局、どこまでなの?」と聞かれることがあります。
実は、世界遺産の登録を目指しているのは、天守だけではなく、『政治ゾーン(赤線の中)』まで。彦根城は、政治ゾーンに江戸時代からあるものがとてもよく残っていて、江戸幕府を支えていた大名による政治のカタチを説明できるからです。
これは約260年続いた江戸時代の平和の礎を語れるもので、世界に誇れる遺産です。


赤線の内側・・「政治ゾーン」
中堀より内側が、政治のカタチを表す政治ゾーンです。ここにある「御殿」は、大名と重臣が一緒に政治の話し合いをした場所であり、大名の生活の場でもありました。ここを取り囲むように重臣たちも暮らしていました。
黄線の内側・・「城の範囲」
現在外堀のほとんどは埋まっていますが、江戸時代には水が張られており、外堀に囲まれた範囲が「城」でした。そして、城下町は城の外まで広がっていました。
世界遺産ってなに?
多様な文化遺産を世界中でお互いに学び、大切にし合うことで、国際理解を深めることを目的にユネスコが支援する世界遺産委員会が世界中の人の宝として認めた場所や建物が「世界遺産」です。
現在、日本には姫路城や佐渡金山など21件の文化遺産と、屋久島や知床など5件の自然遺産があります。
彦根城が世界遺産になれば、彦根城が広く世界に知られるだけではなく、江戸時代の平和を支えた「政治のカタチ」をヒントにして、世界平和の手助けになれるかもしれませんね。
世界遺産があるまちで暮らす
彦根に世界遺産があると、世界から彦根の歴史や文化の魅力に注目が集まり、世界中で彦根城を大切に思ってくれる人が増えることが期待できます。
そして彦根市民が、世界に愛される宝とともに生活することで、より強く彦根に対する愛着も深まるのではないでしょうか。
住みたい、住み続けたいまちとしての魅力を高めるため、みんなで「世界遺産彦根城」を目指しましょう!
地域の人が、誇りに思えるように
彦根城世界遺産登録意見交換・応援1000人委員会
会長 宮川 富子さん
彦根で生まれ育った私には、彦根城はあって当たり前でしたが、世界遺産の暫定リストに載ってから、さまざまな視点から彦根城の話を伺う機会が増え、改めてそのすばらしさに気づきました。そして、世界遺産の登録には市民の思いが大切であることも知りました。私に特別な力があるわけではありませんが、少しでも故郷に恩返しできるならと思い、会長をさせていただいています。
2025年は国内推薦を期待されていた方も多く、「残念だったね」と声をかけていただくこともありましたが、私は今の状況を悪いとは考えていません。文化庁からは、「ダメだ」と突き放されたのではなく、「何をすればいいか」を示してもらえたんですから。
そして、忘れてはいけなのは、世界遺産登録は通過点に過ぎないということです。 この地域に暮らす者としては、市民一人ひとりの彦根城を誇りに思う気持ちが高まると嬉しいし、それは登録後にも、大切なことだと思います。さらに、彦根城の世界遺産登録をきっかけに、彦根市民であることへの誇りを持つ人が増えることを願っています。
「彦根城を世界遺産に」は一歩ずつ前へ

彦根市は、彦根城の世界遺産登録に向けて長い間歩み続けてきました。そして令和6年10月、世界遺産の審査をする団体(イコ
モス)から「彦根城は世界遺産になりえる」との事前評価を受けました。
現在は次のステップである国内推薦へ向けて準備中です。
これまでの努力は確実に実を結びつつあります。登録へのカウントダウンは、始まっているのです。
彦根城に与えられた、主な二つの課題
彦根城の世界遺産登録に当たっては、課題もあります。ひとことで言えば、世界遺産としての価値が複雑でわかりにくいこと。文化庁は、この点を課題として示され、昨年の国内推薦は見送られることになりました。
私たちはこの課題を乗り越え、今年の国内推薦を確実に勝ち取りたいと考えています。

課題一「江戸時代の政治のカタチ」をわかりやすく説明せよ。

大名だけではなく、重臣も好きにお城をつくっていた戦国時代と違い、江戸時代では、将軍から任された一つの城に大名を中心に重臣が集まり、話し合って政治をしたので、争いが起きなくなりました。

課題二「江戸時代の城の代表」であると証明せよ。

江戸幕府における井伊家の地位を確立した直孝

井伊直孝は幕府に重用され、三代将軍家光、四代将軍家綱を補佐しました。
直孝の時代、井伊家は「大政参与」として幕府の中枢で重要な役割を果たし、後の「大老」職へとつながる基盤を築きました。
こうして井伊家は、幕府政治を支える要職としての地位を確立していきました。


彦根城世界遺産登録までのステップ

地域とともに彦根城の世界遺産登録を目指しています
11月22日のビバシティ彦根で「彦根発!笑顔いっぱいプロジェクト」の一環として、親子参加の彦根城〇×クイズが開催されました。
「地域を笑顔に、元気にしたい」という思いから、彦根創業の株式会社平和堂(H)と彦根市に拠点を持つ、キリンビール株式会社(K)、株式会社ブリヂストン(B)の3社(以下、「HKB」という)はタッグを組んで「彦根発!笑顔いっぱいプロジェクト」として活力あるまちづくり、地域活性化を応援する取組をされています。
その中で彦根城の世界遺産登録活動も力強く応援し、地域一体となって未来へ受け継いでいくことを目指されています。





更新日:2026年01月01日