私たちの宝物、これまでも、これからも 〜開館40周年、市民と共に歩む彦根城博物館〜(2026年6月号掲載)

更新日:2026年06月01日

HP番号: 30242
彦根城博物館の外観写真

彦根城の表門を抜けると、そこに佇む重厚な御殿。
彦根城博物館は来年、開館40周年を迎えます。

彦根の宝を守るために よみがえった彦根城表御殿

彦根城博物館のテープカットの瞬間。当時市長だった井伊家16代当主の井伊直愛氏含む4人が写っている。

開館時のテープカット
左から2人目が当時の井伊市長

明治時代に表御殿が取り壊された後、大正時代にグラウンドとなり、市民の憩いの場として親しまれてきました。 「井伊家が守ってきた美術品や古文書は、彦根の歴史そのもの。市民共有の財産として役立ててほしい。」そう語り、数万点の至宝を市に寄託(後に寄贈)したのが、当時の市長で井伊家16代当主の井伊直愛氏です。そして1977年、表御殿跡地に博物館の建設計画が始まりました。

しかし、特別史跡である彦根城では新たな建築に厳しい制約があります。国や県との協議を重ね、表御殿を復元した博物館とすること、その一部は木造とすること、地下の表御殿の遺構を保存することなどを条件に建設が認められました。唯一残され移築されていた能舞台も元の場所に戻されました。 そして1987年、江戸時代の姿を再現した博物館が完成しました。

情熱は巡り、次世代へ。市民の手で動き続ける博物館の「今」

表御殿の遺構の写真

表御殿の遺構(中央は能舞台の床下)

それから40年。この場所を輝かせてきたのは、彦根の歴史と魅力を伝える博物館と市民の活動です。40周年を迎える来年は、特別な催しが博物館を彩ります。市民と行政が手を取り合い歩む姿から、彦根城博物館の「今」を見つめます。

かがやく市民を紹介します

かがやく市民 展示解説ボランティア 田澤さん

「ほんもの」の誇りを胸に、歴史の語り部として

微笑む田澤さんの写真

展示解説ボランティア
田澤 さん

「私が学生の頃、ここには何もなかったんです」そう懐かしそうに語る田澤さんは、博物館の案内人を務めて10年になるベテランです。
東京で貿易関係の仕事に従事し、世界を飛び回っていた田澤さんは定年を迎え、故郷彦根へ帰ってきました。「小学校の先生が、地元を大事に、そして理解することを大切に教育してくださった。その影響がずっとあったんです。」長年積み重ねた郷土愛は帰郷後、ボランティアという形で実ります。

「一期一会」の心で、来館者と共に歩む新しい発見の日々

甲冑の解説をする田澤さん

甲冑の解説をする田澤さん

田澤さんが案内で最も大切にしているのは、博物館が誇る「ほんものとの出会い」です。「ここの展示品はレプリカじゃない。井伊家が守り、残された宝そのものなんです。」その言葉には力がこもります。特に熱が入るのは、井伊家の甲かっちゅう冑の解説です。「真っ赤な甲冑と、兜から高く伸びる金の半月が特徴ですが、殿様と家臣を区別するため、細かいルールが決められていました。例えば…。」田澤さんの語り口は、歴史の奥深さとユーモアに溢れ、気付けば一時間半も足を止める来館者もおられるそうです。 「一度来られた方に『また来てくださいね。』と声をかけます。何度来ても新しい発見があるのがこの博物館の魅力ですから。

かがやく市民 支援スタッフ ボランティア林さん

子どもたちの笑顔がひらく、歴史と未来への扉

微笑む林さんの写真

支援スタッフ
ボランティア林 さん

「以前は、博物館に何があるのかすらよく知らなかった。」と語るのは、博物館の支援スタッフとして3年目を迎えるボランティア、林さんです。博物館は敷居が高いと感じていた頃、広報ひこねの募集記事が目に留まり、「地元のことをもっと知りたい、子どもたちに伝えたい。」と、活動に応募しました。
林さんが特に力を入れる「キッズサマースクール」では、子どもたちの横に寄り添います。江戸時代の古文書にも使われるサイン「花か押おう」を作ったり、能の衣装にも使われている織り方でコースターを作ったり。「手を動かすうちにみんな夢中になります。完成して喜ぶ姿を見ると、こちらも楽しくなりますね。自分の作品を通じて、彦根の歴史を身近に感じてほしいです。」

次世代へと受け継ぐ「開かれた場所」

林さんが子どもに教える様子

子どもをサポートする林さん

林さん自身も、活動を通じて博物館の奥深さに魅了されました。「古文書の読解講座にも通い始めました。ベテランの方は古文書から当時の人たちの生活や、心の変化などを読み解く。ただ古い字を読むだけではない奥深さがあります。」
40年前、この場所に御殿が復元されたからこそ生まれた、子どもたちの交流と学び。市民の手によって、博物館は次世代を育む「開かれた場所」へと成長しています。

彦根城博物館の主な事業

展示

博物館内の展示風景

展示作品は1~2ヶ月ごとに入れ替え。さまざまなテーマをとりあげた展覧会では、井伊家伝来展覧会では、井伊家伝来の煌びやかな大名道具をお楽しみいただけます。

子ども向け体験

お茶を飲む3人の子どもの写真

木造棟でお茶を体験するわくわく体験スクールや、掛楽掛け軸作りなどの工作を楽しむキッズサマースクールを開催しています。

講座・講演会

彦根城博物館で行われた講座の様子

学芸員が展示作品の魅力や、日頃の研究成果をわかりやすく紹介します。

40周年イベントを楽しもう!

シリーズ開館40周年記念展覧会

国宝・彦根屏風や、朱色で統一された「井伊の赤備え」の甲冑をはじめ、博物館には、譜代大名筆頭の井伊家に伝わった名品が多数保管されています。令和8年度は、40年の歩みの中で積み重ねてきた研究と収集の成果を、「シリーズ THE DAIMYO」として余すところなくお披露目。その中で公開予定の至宝の一部をご紹介します!

朱漆塗仏二枚胴具足(初代直政所用) (滋賀県指定文化財)

朱漆塗仏二枚胴具足の全体写真

井伊家初代直政が関ヶ原合戦で着用したと伝わる甲冑。鉄製で動きやすさを考慮した、実戦向きの作りです。兜の天衝がない、赤備えの甲冑のプロトタイプ。

テーマ展 「井伊直政と直孝―井伊家の礎を築いた名将―」

5月15日(金曜日)から6月15日(月曜日)

大名物 宮王肩衝茶入

宮王肩衝茶入の全体写真

大坂の陣で活躍した2代直孝が徳川家が徳川家康から拝領した「大名物」。井伊家累代の家宝として知られています!

テーマ展 「井伊直政と直孝―井伊家の礎を築いた名将―」

5月15日(金曜日)から6月15日(月曜日)

太刀 銘国宗(伯耆)(重要文化財)

太刀 銘国宗(伯耆)の全体の写真

12代直亮が用いたと伝わる鎌倉時代の名刀。腰反りの力強い姿と小さな切先が特徴です。

テーマ展「井伊家歴代の指料―選ばれた名刀の姿― 」

7月24日(金曜日)から9月14日(月曜日) 
(注意)8月20日(木曜日)・9月10日(木曜日)は休館

黒漆塗八丁字紋蒔絵駕籠

黒漆塗八丁字紋蒔絵駕籠の全体写真

13代直弼の正室昌子が婚礼の際に用いた駕籠。大名家の姫君の婚礼にふさわしい煌びやかな装飾が見どころ!

テーマ展「 姫君の婚礼調度」

9月18日(金曜日)から10月19日(月曜日)

鷲図 佐竹永海筆

鷲図佐竹永海筆の全体画像

作者の佐竹永海は彦根藩の御用絵師。彦根城の御殿を飾る衝立として作られたと考えられます。江戸時代の御殿の様子がイメージできる稀少な作品。

企画展「彦根藩御用絵師 佐竹永海 ― 谷文晁  最後の高弟―」

10月23日(金曜日)から12月7日(月曜日)       
(注意)11月17日(火曜日)・同18日(水曜日)は休館

朱地井桁紋旗印

朱地井桁紋旗印の全体写真

井伊家の家紋の井桁を金で表した、長さ2メートルを超える大きな旗。戦場で大将の居場所を示すもので、関ヶ原合戦で使用されたと伝えられます。

テーマ展「井伊家の家紋 ―橘と井桁―」

12月10日(木曜日)から2月8日(月曜日)
(注意)12月17日(木曜日)・同25日(金曜日)から31日(木曜日)、1月13日(水曜日)・同14日(木曜日)は休館

彦根城博物館 館蔵品総選挙 ★ 推し ★ グランプリ

皆さんの投票で館蔵品ベストを決定!現在、第2回を開催中です。名品とはいえないし、展示する機会もほとんどない。でも、実は魅力あふれる、学芸員イチ推しの「名(迷)品」を30点ピックアップ!

第2回知られざる名(迷)品編

投票受付中!

【投票期間】 6月15日(月曜日)まで
【結果発表】 7月1日(水曜日)
(注意)ランキング上位の作品は、7月24日(金曜日)から9月14日(月曜日)に展示します。

詳しくは彦根城博物館ホームページをご覧ください。

ノミネート館蔵品を一部紹介します

琵琶 銘雲竜
琵琶銘雲竜の写真

表ではなく裏に螺鈿の飾りがびっしり!豪華な異色の琵琶。

殿様の下召
淡い青色の殿様の下召

甲冑用の下着。金の模様が入った襟がポイント。殿様にふさわしい逸品。

百万塔・百万塔陀羅尼
百万塔と百万塔陀羅尼の写真

奈良時代、764年に法隆寺に納められた木製の小さな塔。中に納められた経巻は、現存する世界最古の印刷物!

(投票終了)第1回王道ベスト編 受賞品

第1回王道ベスト編では、博物館を代表する名品にたくさんの投票をいただきました!上位にランクインした館蔵品は、「シリーズTHE DAIMYO」や常設展示で展示します。結果と展示期間は、博物館ホームページをご覧ください。

ランクインした館蔵品を一部紹介します

弥千代の雛道具
弥千代の雛道具の写真

13代直弼の愛娘弥千代の婚礼のために調えられた、大揃いの雛道具。その華麗さに釘付け!

朱漆塗蛭巻鞘大小拵
朱漆塗蛭巻鞘大小拵が並んでいる写真

2代直孝の陣拵と伝わる大小拵。朱と黒の鮮やかなコントラストが目を引く、桃山の気風あふれる逸品!

40周年イベント、続きます!

詳しくは彦根城博物館ホームページをご確認ください。

ぬいぐるみお泊り会withひこにゃん

ひこにゃんなどのぬいぐるみたちが博物館内の展示品を見ている様子

あなたのぬいぐるみが、博物館でひみつの大冒険!(7月募集開始)

ひこにゃんトレカ大会 in木造棟

殿様の住まいを復元した木造棟を舞台に、ひこにゃんトレカでカードバトル!(9月募集開始)

彦根城博物館の歩み―展覧会を彩ったポスター総覧―

博物館で開催した展覧会ポスターを通して、40年の歩みを振り返ります。(令和9年1月15日(金曜日)~3月15日(月曜日)開催)

よみがえる彦根城表御殿 上映会

博物館開館までの歩みを記録した動画を特別上映!(上映スケジュールはホームページなどをご覧ください)

この記事に関するお問い合わせ先

教育委員会事務局 彦根城博物館 学芸史料課学芸係

電話:0749-22-6100
ファックス:0749-22-6520

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