9月27日プレスリリース:テーマ展「金のきらめき―輝きの日本美術―」を開催します
このたび、彦根城博物館において、みだしの展覧会を開催いたしますのでお知らせします。
名称
テーマ展「金のきらめき―輝きの日本美術―」
会期
令和6年(2024年)10月2日(水曜日)~11月4日(月曜日・休日)
会期中無休
開館時間:午前8時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場
彦根城博物館
展示室1
展示の趣旨
金は、洋の東西そして時代を問わず人々を魅了し続けてきました。その美しさと希少性ゆえに珍重されるとともに、豪華な雰囲気と、時を経ても失われることのない輝きから、富や権力、聖性や永遠を表すものと考えられてきました。
日本においても、古来、金は聖性の象徴とされてきました。それが最も端的に表れているのが仏教美術です。仏を表す際には金箔や金泥を多用してその姿を荘厳(しょうごん)し、仏を祀る空間も金銅製の仏具などで飾られました。加えて、曼荼羅や経典といった、信仰に関わるさまざまな品にも金が使用されています。
金の輝きを太陽の光、銀の輝きを月の光ととらえ、金と銀を用いて日月を表すことも、古くから行われてきました。日月は陰と陽を象徴し、超越的な力を持つと考えられてきたモチーフです。表裏に日月を配した軍扇や日月を備えた武具などは、これらを持つことで日月の力を身に帯びようとしたものと考えられます。
さらに、金の輝きは、めでたさや非日常性を象徴するものでもありました。金地の屏風や障壁画の金は、聖性、吉祥性、非日常性あるいは富や権力などの多様な金のイメージが投影されたものであるといえるでしょう。
一方、素材としての金は、展延性(薄く広げたり、細長く引き延ばしたりすることができる性質)に優れ、他の金属に比べて低い温度で熔解するため、加工が容易である点が特徴です。日本では、この特性を活かして作られた金箔や金粉が、工芸の素材として多様な展開を遂げました。漆の地に金粉をまいて図様を描き出す蒔絵は、漆工品に輝きを与え、金糸は布に織り込まれて豪華さを演出し、金泥で文様を表す金彩は陶磁器を華やかに彩っています。
本展では、金の輝きをまとったさまざまな収蔵品を通して、単なる装飾にとどまらない金の役割や、その多彩な表現を紹介します。
更新日:2024年09月27日